警察本部の捜査一課や捜査二課、捜査三課などにはどうしたら入れますか?【元刑事が解説】
「警視庁の捜査一課に行くにはどうすればいいのか?」
「捜査二課や捜査三課への異動は実力次第なのか?」
刑事ドラマの影響もあり、警視庁本部の捜査一課・捜査二課・捜査三課に憧れる警察官は少なくありません。しかし、実際にどうすれば本部の刑事部署へ異動できるのか、その仕組みはあまり知られていません。
結論からいえば、まず警察署で刑事になることが大前提です。本部の捜査一課や捜査二課にいきなり配属されることは基本的にありません。
刑事になる方法については別記事で詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
また、「捜査一課とは何をする部署か」「捜査二課や捜査三課との違い」について知りたい方も、先に関連記事を読むと理解しやすいでしょう。
では、警察署で刑事になった後、どうすれば警視庁本部の捜査一課・捜査二課・捜査三課へ異動できるのか。元刑事の経験をもとに、実際のパターンを解説します。
本部の捜査一課・捜査二課・捜査三課に行くための条件
まず重要なのは、刑事として実績を積むことです。
本部の捜査一課や捜査二課は、いわば刑事のエリート部署です。殺人・強盗・放火などの重大事件を扱う捜査一課、詐欺・横領・背任・贈収賄などの知能犯罪を扱う捜査二課には、高い捜査能力が求められます。
警察署でまだ半人前の刑事では、本部勤務は難しいのが実情です。
また、本人の希望を明確に示しておくことも重要です。
警察には「自己申告書」という制度があり、民間企業でいう希望職種申告やキャリア希望調査のようなものがあります。ここで希望部署を記載できます。
一般的には以下のように書きます。
- 強行犯担当刑事 → 捜査一課希望
- 知能犯担当刑事 → 捜査二課希望
- 盗犯担当刑事 → 捜査三課希望
希望を書いていなければ、「本部勤務を望んでいない」と判断される可能性もあります。
警視庁本部へ異動する4つのパターン
実際に警察署の刑事が警視庁本部へ異動するルートは、大きく4つあります。
1. 推薦型(上司の推薦で本部へ)
最も王道なのがこのパターンです。
例えば、ある警察署の刑事課長が、部下の警部補を「非常に優秀で、本部の捜査一課向きだ」と評価していたとします。
この場合、刑事課長が本部の知人幹部に対し、
「うちに優秀な刑事がいる。次に空きが出たら見てやってほしい」
と推薦することがあります。
推薦を受けた本部幹部が勤務実績や人事記録を確認し、「確かに適任」と判断すれば、欠員発生時に異動候補になります。
警察の人事は実力だけでなく、上司からの評価や信頼も非常に重要です。
2. 一本釣り型(元上司に呼ばれる)
警察ではよくあるパターンです。
以前同じ警察署で一緒に働いていた上司が、本部の捜査一課管理官などに昇進・異動した場合、
「そういえば、あいつは優秀だったな」
と思い出して呼ばれるケースがあります。
例えば、本部で巡査部長枠に欠員が出た際、管理官が
「前の署にいた○○巡査部長を呼びたい」
と推薦し、承認されれば本部異動となります。
いわゆる**“引き抜き”**に近い形です。
実力に加えて、人間関係や過去の勤務評価が大きく影響します。
3. 依頼型(本部から適任者を探す)
これは本部側から声がかかるケースです。
例えば捜査二課で警部補に欠員が出た場合、本部幹部が知り合いの副署長などに
「知能犯経験のある優秀な警部補はいないか?」
と問い合わせます。
副署長や刑事課長が適任者を推薦し、本人の異動が決まる流れです。
このケースでは、
- 知能犯経験がある
- 評価が高い
- 即戦力になる
といった条件が重視されます。
捜査二課のような専門性の高い部署では、このパターンが比較的多い印象です。
4. 定期異動型(人事課判断)
警察は通常、年1回の定期異動があります。
一定年数(一般的には5年前後)同じ所属に勤務すると、人事異動の対象になります。
このとき異動先を決めるのは基本的に人事課です。
そのため、
- 本人の希望
- 勤務実績
- 所属の人員バランス
- 組織全体の配置計画
などを総合的に見て、警察署刑事課から本部へ異動することがあります。
ただし、本人の意思だけで決まるものではありません。
警視庁の捜査一課・捜査二課・捜査三課に行くには結局何が大事か
まとめると、警視庁本部の捜査一課・捜査二課・捜査三課に行くために重要なのは次の4点です。
- 警察署で刑事になる
- 刑事として高い実績を上げる
- 自己申告書で希望を明確にする
- 上司から信頼される
- 不祥事を起こさない
ドラマのように突然エリート部署へ抜擢されることはまずありません。
実際は、地道な実績・人間関係・タイミングの積み重ねで本部への道が開けます。
元刑事として言えば、最終的には「この人と一緒に働きたい」と思われる刑事が強いです。
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
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「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
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