告訴と提訴と起訴の違い 【元刑事がわかりやすく解説】
「告訴・提訴・起訴の違いがよくわからない」「ニュースで聞くけれど意味の違いを知りたい」という方は多いでしょう。
「告訴」「提訴」「起訴」は漢字が似ているため混同されやすい法律用語ですが、意味も使われる場面もまったく異なります。
簡単に分類すると次のとおりです。
- 告訴:刑事事件で被害者が捜査と処罰を求める手続き
- 起訴:刑事事件で検察官が裁判を起こす手続き
- 提訴:民事事件で裁判所に紛争解決を求める手続き
この記事では、告訴・起訴・提訴の違いをわかりやすく解説します。
提訴とは?|民事裁判を起こすこと
**提訴(ていそ)**とは、裁判所に対して民事上のトラブルの解決を求めて裁判を起こすことです。法律上は「訴えの提起」または「訴訟の提起」と呼ばれます。
例えば、次のようなケースで提訴が行われます。
- 損害賠償請求
- 貸したお金の返還請求
- 不動産の明け渡し請求
- 未払い代金の請求
提訴の特徴
- 一般人・法人・官公署などが行える
- 民事事件の手続き
- 裁判費用(収入印紙代など)がかかる
- 途中で和解して終了することがある
民事裁判では、当事者同士の話し合いによって和解が成立すれば、判決まで行かずに終了することも珍しくありません。
起訴とは?|検察官が刑事裁判を起こすこと
**起訴(きそ)**とは、検察官が犯罪の疑いがある被疑者について、裁判所に刑事裁判を求める手続きです。
一般には「起訴」と呼ばれますが、正式には公判請求といいます。
ニュースで「○○容疑者が起訴された」と報じられるのは、この手続きのことです。
起訴の特徴
- 起訴できるのは検察官のみ
- 被害者や警察は起訴できない
- 刑事事件の手続き
- 起訴されると被疑者は被告人になる
- 原則として有罪・無罪の判決で終わる
刑事裁判の当事者は、
検察官 vs 被告人
という構図になります。
民事裁判のように当事者同士の和解で終了する制度はありません。
なお、刑事手続きそのものについて、被害者が国に費用を支払う必要はありません(※私選弁護士を依頼する場合を除く)。
告訴とは?|被害者が処罰を求める刑事手続き
**告訴(こくそ)**とは、犯罪被害者などの告訴権者が、警察や検察などの捜査機関に対して、犯罪の事実を申告し、犯人の処罰を求める手続きです。
「被害届」と混同されることがありますが、告訴は単なる被害申告ではなく、処罰意思を明確に示す正式な刑事手続きです。
告訴の特徴
- 刑事訴訟法に基づく制度
- 告訴権者のみが行える
- 警察が受理すれば何があっても必ず検察庁へ送致される※被害届との最大の違いです
- 検察官が起訴・不起訴を判断する
- 結果は告訴人に通知される
例えば、被害者本人には告訴権がありますが、単なる知人や第三者には原則として告訴権はありません。
告訴そのものに費用はかかりません。
告訴・提訴・起訴の違いを一覧比較
| 用語 | 意味 | 誰が行う? | 分野 |
|---|---|---|---|
| 告訴 | 犯罪の捜査と処罰を求める | 被害者など告訴権者 | 刑事事件 |
| 起訴 | 刑事裁判を起こす | 検察官 | 刑事事件 |
| 提訴 | 民事裁判を起こす | 個人・法人など | 民事事件 |
まとめ|告訴・起訴・提訴は全く別の法律用語
告訴・起訴・提訴の違いを簡単にまとめると、
- 告訴=被害者が警察や検察に処罰を求める
- 起訴=検察官が刑事裁判を起こす
- 提訴=個人や会社が民事裁判を起こす
という違いがあります。
ニュースや法律相談で頻繁に使われる言葉ですが、意味を正しく理解しておくと混乱しません。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


