親告罪(過失傷害、器物損壊、名誉棄損、侮辱等)を第三者が告発できる?【元刑事が解説】
親告罪は第三者が告発できる?受理される可能性と注意点【元刑事が解説】
「親告罪は第三者でも告発できるのか?」
これは、過失傷害・器物損壊・名誉毀損・侮辱などの被害に関係した方からよくある疑問です。
結論から言うと、第三者による告発自体は可能ですが、実務上はほぼ意味がありません。
その理由を、元刑事の視点でわかりやすく解説します。
親告罪とは?|告訴がなければ起訴できない犯罪
「親告罪」とは、刑事訴訟法により
**「被害者の告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪」**をいいます。
代表例:
- 過失傷害
- 器物損壊
- 名誉毀損
- 侮辱
つまり、わかりやすく言えば、
👉 被害者が告訴しない限り、犯人は処罰されない
という仕組みです。
親告罪は第三者でも告発できる?
結論:
👉 法律上は禁止されていないため可能
刑事訴訟法には、
「親告罪は第三者が告発してはならない」という規定はありません。
そのため、形式的には第三者でも告発状を提出できます。
ただし実務上はほぼ意味がない理由
① 被害者の協力が得られない
親告罪では、捜査の中心は被害者です。
しかし、被害者が処罰を望んでいない場合:
- 被害状況の聴取
- 供述調書の作成
- 実況見分
- 証拠提出
こうした捜査に協力しない可能性が高く、
👉 捜査自体が成立しません
② 被疑者の強制捜査ができない
親告罪で告訴がない場合:
- 逮捕状の請求ができない
- 強制的な取調べができない
そのため、被疑者が呼び出しに応じなければ、
👉 そこで捜査は完全に行き詰まります
③ 起訴は100%されない
仮に捜査が行われたとしても、
👉 告訴がない限り検察官は起訴できません
つまり:
- 必ず不起訴処分になる
- 犯人は処罰されない
結果として、
👉 告発しても何も変わらない
という結論になります。
例外:被害者がすでに告訴している場合
このケースのみ、第三者の告発に一定の意味があります。
- 被害者以外にも処罰を求める声がある
- 社会的影響の大きさを示せる
そのため:
👉 起訴判断や量刑に「わずかに影響」する可能性あり
ただし、あくまで補助的な効果にとどまります。
結論|親告罪の告発は「告訴の有無」がすべて
- 第三者による告発
→ 法律上は可能 - しかし
→ 被害者の告訴がなければ意味がない
さらに実務では:
👉 告訴がない親告罪の告発は、まず受理されません
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


