被害者が死亡した場合は告訴はできませんか?【元刑事が解説】

被害者が亡くなってしまった場合、「もう告訴はできないのでは?」と考える方も多いですが、結論から言うと法的には告訴は可能です。

本記事では、被害者死亡時の告訴の可否や、遺族による告訴の条件、警察の判断基準について分かりやすく解説します。


被害者死亡後の告訴は可能(刑事訴訟法231条2項)

刑事訴訟法第231条第2項では、次のように規定されています。

被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。

つまり、以下の親族には告訴権が認められています。

  • 配偶者
  • 直系親族(祖父母・父母・子など)
  • 兄弟姉妹

被害者本人が亡くなっていても、一定の範囲の遺族が代わって告訴できる制度になっています。


ただし「被害者の意思」に反する告訴は不可

同条には重要な但し書きがあります。

被害者の明示した意思に反することはできない

これはつまり、

  • 生前に「告訴しない」と明確に意思表示していた場合
    → 遺族であっても告訴はできない

ということです。


被害者の意思が不明な場合はどうなる?

問題となるのが、被害者の意思が分からないケースです。

この場合、告訴が受理されるかどうかは、最終的に警察・検察の判断に委ねられます。

主に以下の要素が総合的に考慮されます。

  • 犯罪の内容や悪質性
  • 被害の重大性
  • 被害者と被疑者の関係性
  • 被害弁済の有無・可能性
  • 遺族の処罰感情
  • 客観的証拠の有無

実務上のポイント:被害者供述がないことの影響

刑事事件において非常に重要なのが「被害者の供述」です。

しかし、被害者が死亡している場合、

  • 事件の詳細が不明
  • 立証が困難

となるケースも多く、証拠が乏しい場合は告訴が受理されにくい傾向があります。


まとめ|被害者死亡後の告訴は可能だがハードルあり

  • 被害者が死亡していても、遺族による告訴は可能
  • 配偶者・直系親族・兄弟姉妹に告訴権がある
  • ただし被害者の意思に反する場合は不可
  • 意思不明の場合は警察が総合判断
  • 被害者供述がないため受理のハードルは高い

淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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