警察官が本物か偽者か見抜く方【元刑事が解説】
制服警察官が偽者ということはまずあり得ませんが、スーツ姿の偽刑事(偽警察官)が特殊詐欺の現金受け取り役などで被害者宅を訪ねてくることがあります。通販などで販売されている警察手帳のレプリカを持っていることもあり、一般の人にはその真贋はわからないでしょう。こうした場合に、目の前の自称警察官がホンモノかニセモノなのか見抜く方法をお教えします。
警察官は、「点検」という教練の一種を必ず月に1回は行います。署内の中庭や屋上等に集まり、隊列を取って並び、指揮官の号令によって、警察手帳やけん銃などの装備品を取り出して確認するというものです。装備品を取り出す号令には順番があり、全国警察共通です。「点検」は警察学校入校直後からその訓練を受け、定年退職までずっと続くものなので、警察官であればその号令の順番を知らない人はいません。
よって、目の前の警察官がホンモノかニセモノか知りたいときは
「点検で手帳の次は何ですか?」
と質問してください。ホンモノの警察官なら躊躇無く「警棒です」と答えられるはずです。ニセモノであれば、そもそも「点検」の意味がわからないでしょうから、何と言って答えていいかわからず、あたふたして返答に窮するでしょう。
ちなみに点検の号令の順番は、手帳、警棒、手錠、警笛、けん銃です。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
