民事訴訟より刑事告訴を先にすべき?告訴状・告発状は早めの提出が重要な理由

刑事事件の被害に遭い、「民事訴訟と刑事告訴はどちらを先に進めるべきなのか」「告訴状や告発状はいつ提出すればよいのか」と悩む方は少なくありません。

結論から言えば、**事件の内容や証拠の状況、相手方の対応によって最適な進め方は異なります。**そのため、一概に「民事訴訟を先にすべき」「刑事告訴を先にすべき」と断言することはできません。

すでに弁護士へ依頼している場合は、その方針に従うことが最も適切です。

しかし、犯人の刑事責任を追及し、処罰を求めるのであれば、告訴状・告発状はできる限り早く提出することが重要です。

時間が経過すると、警察の捜査や告訴の受理に不利となる事情が数多く生じます。

1.証拠が失われる可能性がある

刑事事件では、証拠の確保が何より重要です。

警察が捜査で利用する証拠には保存期限があるものが多く、時間が経過すると入手できなくなる可能性があります。

例えば、

  • 防犯カメラ映像
  • ATM利用記録
  • 通話履歴
  • GPSデータ
  • 電子メールや通信ログ

などは一定期間が過ぎると削除されることがあります。

また、

  • 領収書
  • 契約書
  • 被害品
  • 写真や動画

といった証拠も、紛失・廃棄・破損する可能性があります。

告訴状の提出が遅れるほど、有力な証拠を失うリスクは高まります。

2.犯行現場の状況が変わってしまう

暴行、傷害、性犯罪、窃盗などでは、事件現場の状況が重要な証拠になります。

しかし時間が経過すると、

  • 建物の解体
  • リフォーム
  • 再開発
  • 防犯設備の変更

などによって、事件当時の状況を再現できなくなることがあります。

その結果、実況見分や現場検証が困難になり、捜査に大きな影響を及ぼすことがあります。

3.関係者の記憶が薄れてしまう

人の記憶は時間とともに薄れていきます。

被害者だけでなく、

  • 目撃者
  • 被疑者
  • 関係者

の記憶も徐々に曖昧になります。

例えば、写真による面割り(写真照合)は、事件直後であれば正確に識別できても、数か月経過すると判断が難しくなることがあります。

さらに、証人が転居・死亡・病気などにより事情聴取ができなくなる可能性もあります。

4.公訴時効によって捜査できる期間には限界がある

刑事事件には公訴時効があります。

例えば、

  • 暴行罪
  • 器物損壊罪
  • 名誉毀損罪

などの公訴時効は3年です。

もっとも、実務では警察から検察へ送致するための期間も必要となるため、時効直前まで十分な捜査ができるわけではありません。

事件発生から長期間経過してから告訴状を提出すると、警察が十分な捜査期間を確保できず、結果として受理や捜査が難しくなる場合があります。

5.古い事件ほど警察が受理に慎重になることがある

警察署では毎日のように新たな事件が発生しています。

そのため、発生から長期間経過した事件は、

  • 証拠収集が難しい
  • 関係者の記憶が曖昧
  • 捜査に時間を要する

といった理由から、受理や捜査に慎重な対応を取られることがあります。

もちろん、十分な証拠があり、事件内容が明確であれば受理される可能性はあります。

しかし、時間が経過した事件ほど、警察側の負担が大きくなることは否定できません。

告訴状・告発状はできるだけ早く提出することが重要

このように、刑事告訴は時間との勝負です。

事件発生から時間が経過するほど、

  • 証拠が失われる
  • 現場が変化する
  • 記憶が薄れる
  • 公訴時効が近づく
  • 警察の受理が難しくなる

といった不利益が増えていきます。

そのため、刑事事件の被害に遭った場合は、できる限り早く告訴状・告発状を作成し、警察へ提出することが重要です。

実務上は、事件発生または被害発覚から1年以内を一つの目安として行動することをおすすめします。1年を過ぎたからといって不受理となることはありませんが、1年以内と1年以上とでは大きな隔たりがあります。

「犯人を処罰してほしい」「刑事責任を追及したい」と考えているのであれば、証拠が失われる前に、できるだけ早く警察や告訴状作成に精通した専門家へ相談しましょう。

○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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