民事裁判で敗訴した後でも刑事告訴はできる?警察は告訴を受理するのか

結論から言えば、民事裁判で敗訴しても刑事告訴をすることは法的に可能です。

「民事裁判で負けたから刑事告訴はできない」「民事敗訴後は警察が告訴を受理しない」と考えている方もいますが、そのような法律上の規定はありません。

刑事訴訟法、犯罪捜査規範、警察庁通達などを確認しても、**「民事裁判で敗訴した事件の告訴は受理しない」という規定は一切存在しません。**そのため、民事訴訟で敗訴した場合でも、犯罪の成立が疑われるのであれば、刑事告訴を行うことは認められています。

民事裁判で敗訴すると告訴受理に影響する理由

法律上は刑事告訴が可能であっても、実務では民事裁判の判決内容が警察や検察の判断に大きな影響を与えることがあります。

特に、詐欺罪・横領罪・窃盗罪・背任罪などの財産犯では、民事裁判で「被害金品は原告(告訴人)の所有ではない」「権利関係が認められない」と判断されている場合、その判決を根拠として警察が「告訴権が認められない可能性がある」と判断するケースがあります。

その結果、民事判決を理由の一つとして、警察が告訴状の受理に慎重な姿勢を示すことも少なくありません。

民事敗訴後に刑事告訴をする場合のポイント

民事裁判で敗訴した事件について刑事告訴を行う場合は、次のような準備が重要です。

  • 民事判決書の写しを持参し、警察に提出する
  • 民事事件と刑事事件では判断基準や立証対象が異なることを説明する
  • 所有権や占有権、被害の発生について刑事法上の根拠を整理する
  • 民事判決では判断されていない証拠や新たな証拠があれば積極的に提出する

十分な資料を準備することで、警察に対して事件の実態をより正確に理解してもらいやすくなります。

民事裁判で敗訴しても刑事告訴は諦める必要はない

民事裁判で敗訴したからといって、刑事告訴ができなくなるわけではありません。

もっとも、民事判決の内容は警察や検察の判断に一定の影響を与えるため、告訴状を提出する際には、民事判決との関係を十分に整理し、刑事事件として犯罪が成立する理由を具体的に説明することが重要です。

「民事敗訴=刑事告訴できない」ではありません。

しかし、民事判決の内容によっては、警察が告訴状の受理に慎重になることもあるため、提出前に告訴状の内容や証拠を十分に検討しておくことが、告訴受理の可能性を高めるポイントになります。

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淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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