名誉毀損罪・侮辱罪で警察に告訴したい方へ|受理される条件と受理されない理由

事件の内容によっては、警察から「この事件は当署の管轄ではありませんので、○○警察署へ相談してください」と案内されることがあります。無駄足を防ぐためにも、事前に電話で名誉毀損罪・侮辱罪の告訴相談が可能か確認しておくことをおすすめします。

名誉毀損罪・侮辱罪は「告訴」がなければ事件にならない

名誉毀損罪や侮辱罪は親告罪です。そのため、被害者による告訴がなければ、警察や検察は原則として捜査や起訴を行うことができません。

つまり、インターネット上の誹謗中傷やSNSでの悪質な書き込みであっても、被害者が告訴状を提出しなければ刑事事件として扱われないのが原則です。

しかし、名誉毀損罪・侮辱罪の告訴状は、提出すれば必ず受理されるわけではありません。警察は犯罪の成立要件を慎重に判断するため、要件を満たしていない場合は受理されないこともあります。

以下では、名誉毀損罪・侮辱罪の告訴が受理される条件と、受理されない代表的な理由について解説します。


1. 被害届ではなく「告訴状」の提出が必要

名誉毀損罪や侮辱罪では、被害届だけでは処罰につながりません。

親告罪であるため、刑事手続きを進めるには、正式な告訴状を提出する必要があります。

被害届は被害を申告する書類に過ぎず、告訴の意思を示すものではありません。そのため、被害届のみでは刑事事件として積極的な捜査が行われないケースがほとんどです。


2. 名誉毀損罪・侮辱罪の告訴が受理されない主な理由

(1)公然性が認められない

名誉毀損罪や侮辱罪が成立するには、公然性が必要です。

公然性とは、「不特定または多数の人が認識できる状態」をいいます。

受理されにくい例

  • 1対1の会話で「バカ」と言われた
  • 他に1人しか聞いていない状況での発言
  • 自分にだけ送信されたメール

このようなケースでは、公然性が否定される可能性が高くなります。

受理されやすい例

  • SNSへの投稿
  • インターネット掲示板への書き込み
  • 多数の人に配布したビラ
  • 誰でも見られる場所への張り紙
  • 多数同時送信のメール

なお、判例には「2~3人に伝えただけでも、その内容がさらに広がる可能性(伝播性)があれば公然性を認める」としたものもあります。ただし、個別事情によって判断が分かれるため、実務上は慎重な検討が必要です。


(2)被害者が特定できない

名誉毀損罪では、「誰について書かれているのか」が客観的に分からなければ成立しません。

受理されにくい例

  • ハンドルネームだけで個人が特定できない
  • IDしか記載されていない

受理される可能性がある例

  • 実名が記載されている
  • 「○○株式会社○○支店の山田」のように、他の情報と組み合わせることで個人が特定できる

実名でなくても、周囲の人が容易に本人を特定できる場合には、名誉毀損罪が成立する可能性があります。


(3)社会的評価を低下させる内容ではない

名誉毀損罪では、社会的評価を低下させる内容であることが必要です。

単に不快に感じたり、悪口を言われたりしただけでは成立しない場合があります。

判断が分かれやすい例

  • 「田舎者」
  • 「背が低い」
  • 「病弱」

侮辱的ではありますが、社会的評価を低下させるとはいえないとして、犯罪の成立が否定されることがあります。

成立する可能性が高い例

  • 「前科者」
  • 「犯罪者」
  • 「横領している」
  • 「詐欺師」
  • 「変態」

このように、一般人から見て社会的信用を著しく低下させる内容であれば、名誉毀損罪が成立する可能性が高くなります。


名誉毀損罪として受理されやすいケース

次の3つの要件を満たしている場合は、警察に告訴状が受理される可能性が高くなります。

  • 公然性:SNSや掲示板など、不特定多数が閲覧できる場所に投稿されている。
  • 個人の特定性:氏名や勤務先などから本人を特定できる。
  • 社会的評価の低下:「万引き常習犯」「詐欺師」「犯罪者」など、社会的信用を低下させる内容である。

これらの要件を満たしているかどうかが、告訴受理の重要な判断材料となります。


名誉毀損・侮辱罪で警察に告訴する前にご相談ください

当事務所には、インターネット上の誹謗中傷、SNSでの名誉毀損、掲示板への悪質な書き込み、侮辱罪に関するご相談が全国から多数寄せられています。

実名と写真を掲載されたケースなど、犯罪の成立が比較的明確な事案もありますが、多くの案件では「本当に名誉毀損罪が成立するのか」「警察が受理する可能性があるのか」の判断が重要になります。

告訴状は、時間と費用をかけて作成しても、受理されなければ刑事手続は前に進みません。

元刑事・行政書士としての経験を踏まえ、名誉毀損罪・侮辱罪の成立可能性や、警察に受理されやすい告訴状の作成方法についてアドバイスしております。

秘密は厳守いたします。

**「SNSで誹謗中傷された」「ネット掲示板で名誉毀損された」「侮辱罪で告訴したい」**という方は、お気軽にご相談ください。

○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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