名誉毀損などの親告罪で共犯者を後から知った場合でも告訴できる?告訴期間とその例外について
名誉毀損罪や侮辱罪などの親告罪には、**「犯人を知った日から6か月以内」**という告訴期間(刑事訴訟法)が定められています。この期間を過ぎると、原則として告訴権は消滅し、刑事告訴を行うことはできません。
ここで誤解されやすいのが、後から共犯者が判明した場合の扱いです。
告訴は「犯人」ではなく「犯罪事実」に対して行うもの
刑事告訴は、特定の人物だけを対象とする制度ではなく、一定の犯罪事実について処罰を求める意思表示です。そのため、告訴期間は犯罪事実ごとに判断されます。
例えば、犯人Aの存在を知ってから6か月が経過し、告訴期間が満了した後に、新たに共犯者Bの存在が判明したとしても、その犯罪事実についての告訴権はすでに消滅しています。
つまり、後から共犯者が判明したことを理由に、新たな告訴期間が始まることはありません。
共犯者が判明しても告訴権は復活しない
「Aしか知らなかったが、後になってBも関与していたことが分かったので、Bだけでも告訴したい」と考える方は少なくありません。
しかし、親告罪ではその犯罪事実についての告訴期間が経過していれば、共犯者が新たに判明しても告訴権は復活しません。 これは、告訴権が個々の犯人ではなく、犯罪事実に対して認められているためです。
名誉毀損・侮辱罪では特に注意
インターネット上の名誉毀損や侮辱事件では、投稿者だけでなく複数人が関与しているケースもあります。
しかし、最初に犯人を知った日から6か月という告訴期間を過ぎてしまうと、その後に別の共犯者や関与者が判明しても、原則として刑事告訴を行うことはできません。
そのため、名誉毀損罪や侮辱罪などの親告罪では、犯人を特定した時点で速やかに告訴の準備を進めることが重要です。
まとめ
親告罪の告訴期間は、犯人を知ってから6か月です。そして、告訴は個々の犯人ではなく犯罪事実に対して行われるため、告訴期間が経過した後に共犯者が判明しても、新たに告訴することはできません。
名誉毀損罪や侮辱罪で刑事告訴を検討している場合は、告訴期間を過ぎる前に必要な証拠を収集し、速やかに告訴状を提出することが極めて重要です。
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
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「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
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