被告訴人がわからなくても刑事告訴はできる?氏名・住所不明の場合の告訴状の書き方
「犯人の名前や住所がわからないので告訴できないのでは?」と不安に思う方は少なくありません。
しかし、刑事告訴では、被告訴人(犯人)の情報が不完全であっても告訴状を提出することは可能です。実際の捜査でも、氏名不詳や住所不詳のまま受理される事件は珍しくありません。
この記事では、被告訴人が不明な場合の告訴状の書き方や注意点、虚偽告訴罪を避けるためのポイントについて、元刑事・行政書士の視点から解説します。
被告訴人の氏名や住所がわからなくても刑事告訴は可能
刑事告訴では、被告訴人の氏名等が全くわからなくても、犯罪事実の特定ができれば提出可能です。
例えば、
- 顔は知っているが名前がわからない
- 名前だけ知っていて住所がわからない
- SNSやネット上のハンドルネームしかわからない
- 犯人が誰なのか全く判明していない
このようなケースでも、告訴状の提出を諦める必要はありません。
警察は、告訴受理後の捜査によって被告訴人の身元を特定していきます。
被告訴人の記載例(情報が曖昧な場合)
告訴状には、判明している範囲で次のように記載します。
住居:不詳(東京都品川区内)
職業:自称不動産業
氏名:自称 やまおか(以下不詳)
年齢:50歳前後
特徴:身長約170cm、体格は太め、黒縁眼鏡を着用
このように、**「自称」「不詳」「約」**などの表現を用いて、分かっている事実のみを記載すれば問題ありません。
被告訴人の特定につながる情報としては、次のような内容も有効です。
- 電話番号
- メールアドレス
- LINE ID
- SNSアカウント
- 振込先口座
- 車両ナンバー
- 勤務先
- 使用していたニックネーム
- 防犯カメラ画像や写真
少しでも手掛かりになる情報があれば、告訴状や添付資料に記載しておきましょう。
ネット犯罪は「被告訴人 不詳」でも告訴できる
近年増加している
- インターネット詐欺
- SNSでの誹謗中傷
- なりすまし
- 不正アクセス
- ネットオークション詐欺
などでは、犯人が誰なのか全く分からないケースも少なくありません。
このような場合には、
「被告訴人 不詳」
とだけ記載して告訴状を提出することも可能です。
その後、警察がIPアドレスや通信履歴、口座情報、防犯カメラ映像などを捜査し、犯人を特定していくことになります。
まとめ|被告訴人が不明でも告訴を諦める必要はありません
被告訴人の氏名や住所が分からないからといって、刑事告訴ができないわけではありません。
ポイントは次のとおりです。
- 被告訴人の氏名・住所が不明でも刑事告訴は可能
- 「自称」「不詳」などを用いて分かる範囲で記載する
- ネット犯罪では「被告訴人 不詳」で提出できるケースも多い
- 事実と推測を区別し、虚偽告訴罪のリスクを避ける
- 犯人を特定するのは警察の重要な捜査活動の一つ
犯人の情報が不完全だからといって諦める必要はありません。告訴状は、分かっている事実を正確に記載することが何より重要です。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


