未成年者でも告訴できる?未成年者の告訴能力を判例から解説
「未成年者は自分で告訴できるのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。
結論からいうと、未成年者であっても告訴能力が認められる場合があります。 告訴能力の有無は一律に年齢だけで決まるものではなく、年齢・知的発達・犯罪内容・被害状況などを総合的に考慮し、判例・裁判例に基づいて判断されています。
未成年者の告訴能力が認められた判例
裁判例では、次のようなケースで未成年者の告訴能力が認められています。
- 旧強姦罪:被害者13歳11か月(東京高裁・昭和32年9月)
- 旧強姦未遂罪:被害者13歳7か月(水戸地裁・昭和34年7月)
- 旧強制わいせつ罪:被害者10歳11か月(名古屋高裁・平成27年7月3日)
これらの判例から分かるように、未成年者であっても、事件の内容を理解し、犯人を処罰してほしいという意思を適切に表明できる能力があると認められれば、告訴は有効となります。
特に、犯行態様が比較的理解しやすい性犯罪や暴行事件などでは、中学生程度の年齢であれば告訴能力が認められる可能性が高いと考えられています。
未成年者が告訴する場合は親権者も告訴するのが望ましい
未成年者本人に告訴能力が認められる場合でも、親権者などの法定代理人が併せて告訴することをおすすめします。
親権者(父母またはいずれか一方)が重ねて告訴することで、
- 告訴の有効性について争われるリスクを減らせる
- 手続きがより確実になる
- 捜査機関との手続きが円滑に進みやすい
といったメリットがあります。
法定代理人には独自の告訴権がある
未成年者や成年被後見人が犯罪被害者となった場合、法定代理人には被害者本人とは別個の告訴権(独自の告訴権)が認められています。
そのため、被害者本人の意思にかかわらず、法定代理人が告訴することが可能です。
これは刑事訴訟法上認められた制度であり、未成年者など判断能力が十分でない被害者を保護するための重要な規定となっています。
法定代理人の告訴期間にも注意
親告罪では告訴期間が定められていますが、法定代理人の告訴権は本人とは独立しています。
そのため、被害者本人の告訴期間が経過していても、法定代理人自身の告訴期間内であれば有効に告訴できる場合があります。
この点は実務上も見落とされやすいため、親告罪の事件では早めに専門家へ相談することをおすすめします。
法定代理人は告訴の取消しもできる
法定代理人には告訴を行う権限だけでなく、告訴を取り消す権限も認められています。
この取消権も、被害者本人の意思とは独立して行使できるとされており、法定代理人の重要な権限の一つです。
未成年者の告訴は判例と実務を踏まえた判断が重要
未成年者の告訴能力は、「何歳なら必ず告訴できる」というような明確な年齢基準があるわけではありません。判例では10歳台前半でも告訴能力が認められた例がある一方、個別事情によって判断が異なります。
また、未成年者本人による告訴だけでなく、親権者など法定代理人による告訴を併せて行うことで、より確実な手続きにつながるケースが少なくありません。
未成年者が犯罪被害に遭った場合は、告訴能力や告訴権者の判断を誤らないよう、判例や実務に精通した専門家へ相談した上で手続きを進めることが重要です。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


