警察の捜査ミスや検察の不起訴処分を理由に国家賠償請求はできる?最高裁判例を解説

「警察の捜査がずさんだった」「検察官が不起訴にしたのは納得できない」と感じた場合、国家賠償請求(国家賠償法に基づく損害賠償請求)ができるのかという疑問を持つ方は少なくありません。

この点については、**最高裁判所平成2年2月20日判決(最高裁判所判例集1380号)**において、原則として国家賠償請求は認められないことが明確に示されています。

最高裁は、次のように判示しています。

「犯罪の捜査および検察官による公訴権の行使は、国家および社会の秩序維持という公益を目的として行われるものであり、犯罪被害者の被害回復を直接の目的とするものではない。また、告訴は捜査機関に捜査の端緒を与えるものであって、被害者や告訴人が捜査または起訴により得る事実上の利益は、法律上保護される利益ではない。したがって、被害者や告訴人は、捜査が不適正であることや検察官の不起訴処分を理由に、国家賠償法に基づく損害賠償請求をすることはできない。」

つまり、警察の捜査が不十分であったことや、検察官が不起訴処分としたことだけを理由に、被害者や告訴人が国や自治体に対して損害賠償請求を行うことは認められていません。

これは、刑事事件の捜査や起訴は公益のために行われるものであり、被害者個人の権利利益を直接保護する制度ではないという考え方に基づいています。

そのため、「警察が十分に捜査してくれなかった」「告訴したのに不起訴になった」という理由だけでは、国家賠償請求が認められる可能性は極めて低いと考えられます。

一方で、不起訴処分に納得できない場合には、検察審査会への申立てや、新たな証拠を提出して再捜査を求めるなど、別の法的手段を検討することが重要です。

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淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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