親告罪とは?被害者の告訴が必要な犯罪【第三者による告発はできる?】
親告罪とは、被害者など告訴権者による告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪をいいます。刑事事件では通常、検察が捜査を進めて起訴するかどうかを判断しますが、親告罪では**被害者の「処罰してほしい」という意思表示(告訴)**が不可欠です。
代表的な親告罪には、次のような犯罪があります。
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 器物損壊罪
- 過失傷害罪 など
これらの犯罪では、被害者が警察または検察に告訴状を提出しなければ、検察官は犯人を起訴できません。そのため、被害者が処罰を望まない限り、刑事裁判に発展しないことが親告罪の大きな特徴です。
親告罪でも第三者による告発はできるのか?
「親告罪は被害者しか手続きできない」と思われがちですが、第三者が告発することは法的にはこれを禁じる規定はありません。
そのため、事件を知った第三者が警察や検察に告発状を提出することは法律上認められています。
ただし、親告罪では第三者の告発だけで起訴することはできません。
なぜなら、親告罪では被害者など告訴権者による適法な告訴が起訴の条件となるためです。第三者の告発が受理されたとしても、被害者からの告訴がなければ、検察官は原則として公訴を提起することはできません。
被害者が告訴している場合に第三者が告発する意味
すでに被害者が告訴している事件では、第三者が告発状を提出することにも一定の意味があります。
例えば、第三者が「この事件は社会的影響が大きく、厳正な処罰が必要である」との立場から告発することで、事件に対する社会的関心や処罰を求める声が複数存在することを捜査機関へ伝えることができます。
もっとも、第三者の告発が検察官の起訴判断や裁判所の量刑に直接影響する制度はありません。 実際の処分は、証拠関係、被害状況、被害者の意思、示談の有無などを総合的に考慮して判断されます。
親告罪の告発に関するポイント
- 親告罪は、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪
- 第三者による告発自体は法律上可能
- ただし、第三者の告発だけでは起訴できないためほぼ無意味
- 被害者が告訴している場合は、第三者の告発が事件の重要性を伝える資料となる場合があるものの、起訴や量刑を左右する決定的な要素ではない
親告罪では、「告訴」と「告発」の違いを正しく理解することが重要です。特に、被害者本人が処罰を希望している場合は、第三者による告発ではなく、適法な告訴を期限内に行うことが刑事手続を進めるための最も重要なポイントとなります。
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
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告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
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「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
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