告訴と告発の違いとは?被害者が出すのが告訴、第三者が出すのが告発【元刑事が解説】
「告訴」と「告発」は似た言葉ですが、法律上は明確な違いがあります。
もっとも大きな違いは、誰が捜査機関に申し出るのかという点です。
告訴とは
告訴とは、犯罪の被害者(または法律上認められた告訴権者)が、犯人の処罰を求めて警察や検察に申し出る手続きです。
例えば次のような犯罪で利用されます。
- 窃盗
- 詐欺
- 横領
- 傷害
- 恐喝
- 名誉毀損
- 器物損壊
被害者本人だけでなく、ケースによっては法人や法定代理人などが告訴権者になることもあります。
告発とは
告発とは、被害者以外の第三者が、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める手続きです。
典型例は次のとおりです。
- 公然わいせつ
- 通貨偽造
- 薬物犯罪
- 贈収賄
- 道路交通法違反
このように、明確な被害者がいない犯罪では、通常「告発」が使われます。
また、公務員が職務上犯罪を知った場合、法律上告発義務が生じるケースもあります。
告訴と告発の違いを比較
| 項目 | 告訴 | 告発 |
|---|---|---|
| 行う人 | 被害者・告訴権者 | 第三者・公務員 |
| 被害者の存在 | 原則必要 | 不要 |
| 犯人の処罰意思 | 必要 | 必要 |
| 提出先 | 警察・検察 | 警察・検察 |
受理後の流れはほぼ同じ
告訴と告発は、提出する人が違うだけで、受理後の流れは基本的に同じです。
警察が内容を確認し、必要な捜査を行い、最終的に検察へ送致する流れになります。
犯人がわからなくても提出できる
「犯人の名前がわからないと提出できない」と思われがちですが、それは誤解です。
犯人が不明でも、告訴・告発は可能です。
その場合は被告訴人欄に
被告訴人 不詳
と記載します。
法人が関係する場合はどうなる?
法人が関係する事件では混乱しやすいですが、ポイントは次のとおりです。
会社が被害者なら、法人名義で告訴することは可能です。
一方、会社ぐるみの違法行為を申告する場合は、実行した個人だけでなく、両罰規定のある犯罪では法人にも責任が及ぶことがあります。
代表例:
- 廃棄物処理法違反
- 不正競争防止法違反
- 租税犯罪
このようなケースでは、実務上「告発」で対応することがあります。
告訴状・告発状作成で重要なポイント
警察は、単に「被害に遭いました」というだけでは簡単に受理しません。
重要なのは次の点です。
- 犯罪の構成要件を満たしているか
- 民事トラブルとの違いが整理されているか
- 証拠が整理されているか
- 事実関係が時系列で明確か
タイトルが「告訴状」か「告発状」かより、内容として刑事事件として成立するかの方が実務上は重要です。
まとめ
告訴と告発の違いはシンプルです。
- 被害者が申し出る → 告訴
- 第三者が申し出る → 告発
- 被害者がいない犯罪 → 告発
実務では名称よりも、受理される内容になっているかどうかが最も重要です。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


