警察手帳を紛失するとどうなる?元警察官が明かす「地獄の連帯責任」と重いペナルティの実態

「警察手帳を無くしたらどうなるのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

実は、警察組織において手帳の紛失は非常に重大な不祥事として扱われます。紛失した本人だけでなく、同じ部署の同僚まで巻き込む壮絶な捜索活動が行われるのです。

今回は、2002年に切り替わった現在の警察手帳の仕組みや、万が一紛失してしまった場合のリアルな捜索実態、そして課される重い処分について、元警察官の視点から詳しく解説します。


現在の警察手帳の仕組み:2002年の切り替えで「書けない手帳」に?

現在のバッジタイプ(警察章が露出するタイプ)の警察手帳は、2002(平成14)年に旧型の手帳タイプから切り替わったものです。

新旧の警察手帳には、機能面で以下のような大きな違いがあります。

  • 旧型の警察手帳: 表紙に金色の警察シンボルマークと「警視庁」などの文字が刻印。開くと本人の写真や氏名が記載されており、それ以降のページは白紙で、ペンでメモが取れる文字通りの「手帳」でした。
  • 現在の警察手帳: 「手帳」という名称ではあるものの、メモを書ける白紙部分は一切ありません。 身分を証明するバッジ(警察章)としての機能に特化しており、本来のメモ帳としての機能は皆無です。

警察手帳の紛失対策と、ルールを破る原因

警察手帳は非常に重要な身分証明書であるため、厳格な紛失対策ルールが定められています。

本来、警察手帳は「紐(カールコードなど)で、背広の上着やズボンのポケット内にある固定部分と結着させること」が義務付けられています。このルールを徹底していれば、ポケットから落ちても紐でつながっているため、紛失することはまずありません。

しかし、残念ながら規則を破ってしまう人が後を絶ちません。 「紐で固定するのが面倒」「邪魔だから」といった理由で、バッグにそのまま入れたり、結着しなかったりすることで、結果的に紛失してしまうケースが、警視庁全体でも年に数件(1〜2人程度)発生しているのが現状です。


周囲を巻き込む「連帯責任」:手帳紛失時の徹底捜索の実態

警察手帳の紛失が発覚すると、本人だけの問題では済まされません。同じ係のメンバー全員に「連帯責任」のような形で、過酷な捜索活動が命じられます。

幸いにも私の周囲では紛失者はいませんでしたが、もし紛失が発生した場合、以下のような地獄の捜索が始まります。

  • 約1週間に及ぶ徹底捜索: 無くした可能性のある場所の周辺を、同じ係のメンバー総出で徹底的に探させられます。
  • 駅や路線の捜索: 仮に「電車内で無くしたかもしれない」となれば、その路線の各駅を回り、駅構内のゴミ箱やトイレの中まで文字通り徹底的に捜索するように命じられます。

幹部連中が必死になる理由

警察手帳の紛失は、警察の不祥事の中でもかなり重い部類に入ります。手帳の紛失が公になれば署長の経歴(キャリア)にも傷が付くため、幹部連中は「見つけるまで絶対に帰ってくるな」という、凄まじいプレッシャーをかけてくるのです。


警察手帳を紛失した本人に下される重い処分(ペナルティ)

運良く捜索で手帳が見つかったとしても、「一度紛失した」という事実に変わりはありません。落とした本人には、その後の警察人生を大きく左右する重いペナルティが与えられます。

無くした状況によって処分の重さは多少異なりますが、一般的には以下のような厳しい処分が下されます。

  1. 最低でも「所属長訓戒」以上の処分
  2. 数年間は昇任試験に合格できない (筆記試験などでいくら良い点数を取ったとしても、この懲戒・訓戒履歴が響くため、数年間は昇任が事実上ストップします)

このように、たった一度の不注意や「紐をつけない」というルール違反が、自分だけでなく同僚の時間を奪い、自らのキャリアを崩壊させる致命傷になってしまうのです。

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淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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