警察官のけん銃射撃訓練について【元警視庁刑事のコラム】

 けん銃を撃ったことがある人は少ないと思います。一度は撃ってみたいと思っている人が多いと思いますが、実はこれ面白くありません。まず音が大きいのと反動が結構強いので、不快とさえ言えます。また火花が出るので、たまに「あちっ」となることもあります。警視庁では、交番のお巡りさんも刑事も白バイ乗りも全員一年に一回は撃たないといけないことになっていますが、楽しみにしている人は誰もいません。警視庁の射撃施設は江東区の新木場という倉庫街のような場所にあるのですが、真冬でも暖房が入らず、ブルブル震えながら射撃しないとなりません。射撃に使うけん銃は、警察署で普段自分用として使っているものを持参し、弾丸は射撃場のものを使います。一回の射撃訓練で40発ほど撃ちますが、とにかくうるさいので、早く終わってほしいと毎回思います。
 訓練の仕方は毎回大体同じで、けん銃の機能点検の後、弾丸を入れずに撃つ動作(空撃ちといいます)をしてから、弾丸を5発装填して的を狙って撃ちます。的は段ボール製で、人の上半身が印刷されたものと、同心円が印刷されたものの2種類あります。射距離は10メートルと5メートル距離で行います。近いように思われるかもしれませんが、実際に犯人に向かって射撃した過去の事例では、5メートルくらいが多いそうです。5メートルと聞けば、近くてよく当たると思う方が多いと思いますが、人型の的の場合、腕を狙って撃ったのに、胸や頭に当たることが珍しくありません。また、ダブルアクションといって、撃鉄を引かずに引き金を大きく引いて撃つ場合は、的にさえ当たらないことがあります。数年前、凶暴な犬に対して警察官3人が13発撃ったというニュースがありましたが、あれは本当によくわかります。動かない的でさえ当たらないのに、動く動物ならなおさら当たりません。

けん銃射撃訓練の体験とは?警察官の射撃訓練の実態と驚きの事実

けん銃を撃ったことがある人は少ないと思いますが、射撃に興味がある方は多いのではないでしょうか。しかし、実際にけん銃を撃つ体験は想像とは異なり、思ったほど面白くないことがあります。警察の射撃訓練でもその実態は似ており、警察官にとっても「楽しみな瞬間」ではありません。

けん銃射撃の不快さ:音や反動

けん銃を撃つと、まずその音の大きさに驚きます。さらに反動が強く、初心者には不快感を感じることもしばしばです。加えて、発射時に火花が飛び散ることがあり、うっかり「あちっ」となることもあります。

警察官の射撃訓練:必須の訓練内容

警視庁では、交番のお巡りさんや刑事、白バイ隊員など、全員が年に一度は射撃訓練を受けることが義務付けられています。しかし、これを楽しみにしている警察官はほとんどいません。射撃訓練は江東区の新木場にある射撃施設で行われ、冬場でも暖房がないため、寒さの中で訓練を受けなければなりません。

けん銃の使用と射撃方法

訓練では、警察官が普段使用しているけん銃を持参し、弾薬は射撃場で提供されます。訓練では約40発を撃ち、的を狙って射撃します。的は段ボール製で、人型のものと同心円が描かれたものがあります。射撃の距離は、10メートルと5メートルで行われますが、実際には犯人に向かって射撃した過去の事例では5メートル前後が多いと言われています。

5メートルの射撃距離の現実

5メートルの距離では、近くて当たりやすいと考えるかもしれませんが、実際には狙った部位に当たることは少なく、腕を狙って撃っても胸や頭に当たることがよくあります。また、ダブルアクションで引き金を引くと、的にさえ当たらないこともあります。

動く対象に対する射撃の難しさ

数年前、凶暴な犬に対して警察官が13発を撃ったというニュースがありましたが、実際には動く対象を撃つのは非常に難しいことです。静止した的でさえ当たらないのに、動く動物を狙うのはさらに難易度が高くなります。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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