皇宮警察について

 皇宮警察をご存じでしょうか。実は私自身、警察官になるまではそういう組織があることを知りませんでした。皇宮警察の警察官は、その辺にいる都道府県警の警察官と権限等は基本的に同じです。ただし、その辺の警察官が各都道府県警採用の地方公務員であるのに対し、皇宮警察は国に採用される国家公務員です。その点では警察庁と同じですが、警察庁と皇宮警察は完全に別組織です。皇宮警察は、皇室を守る警察官であり、管轄は皇居内はじめ全国の皇室関係施設となります。ですから、一般の人が町を歩いていて、皇宮警察官に職務質問されたり、検問を受けたりすることはありません。皇宮警察官の任務のほとんどは、皇室関連施設の警備です。皇居であれば、半蔵門、大手門といった出入口付近に立って出入者チェックを行っているのが皇宮警察官です。皇宮警察官と話したことが何度かありますが、自分たちのことを自虐的に「皇宮ガードマン」と呼んでいる人もいました。皇宮警察でも被疑者を逮捕することがあります。少々頭のおかしい人が「陛下に呼ばれました」などと言って門から皇室施設内に入ってしまうことがあるからです。もちろん、通常は部外者は入れないのですが、何かのすきに入ってしまうことがたまにあり、その際は建造物侵入で現行犯逮捕するのです。
 都心の麹町警察署に勤務していた当時、皇宮警察の刑事部から見習いにきている警部補がいました。「警視庁の仕事は面白い。皇宮警察の仕事はつまらない。」と何度も言っていました。見習い期間が終わって皇宮警察に戻る際、「もう戻りたくないからこのまま警視庁に残してほしい。」と皇宮警察の上司に頼んだそうですが、あっさり却下されて戻って行きました。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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