意外と多い転職組警察官
私自身、警察官になる前は、自動車メーカーに就職し、販社に出向となって約4年間、車を売っていました。あるとき、県警の刑事さんが車を買ってくれました。雑談の中で「ぼく、子どもの頃は警察官になりたいと思ってたんですよ」と話すとその刑事さんは「淺利さん歳いくつ?」と言うので「25です」と答えると「まだなれるよ。なればいいじゃん」と言われました。私は、その頃、車が売れず、メーカーに戻るための画策を練っていた頃で、この警察官になってみるという考えにすっかりとりつかれてしまいました。そこで、本屋に行って受験本を購入し、受験時26歳までであれば(当時)採用試験が受けられることを知り、毎日受験勉強を始めました。そうして翌年の試験で合格し、警察学校に入校することになったのです。
警察学校に入校したとき、転職者は自分くらいかなと思っていたところ、意外と多く、2~3割くらいは転職組でした。前職については、私と同じ元自動車ディーラーマンが何人かいた他、自衛隊、銀行員、会社員、タクシー運転手、教員、店員、訪問販売員など様々でした。警察学校での訓練にディーラー営業での経験は全く役に立ちませんでしたが、元自衛隊員はさすがで、教練などは指導役の先輩学生よりもはるかに上手いくらいでした。聞くと教練などは自衛隊と全く同じであり、けん銃も既に何発も撃っているので楽勝みたいなことを言ってました。
警察学校を卒業し、警察官として仕事を始めたとき、民間との違いを一番大きく感じたのが「経費の節約」です。民間の頃は、会社が儲からないと自分たちの給料も上がらないため、社員全員が経費の節約に努めていました。具体的には、明かりをこまめに消したり、節水したり、エアコンなどを弱めにして電気代を節約するなどです。ところが、警察署の署員は、誰も居ない部屋の電気を24時間付けっぱなしにしたり、エアコンは常に全開だったり、水を出しっぱなしにして洗車したり、コピー用紙を何重にもして皿代わりに使ったりと、それはもう無駄のオンパレードでした。また、会計課でもらえるボールペンや消しゴムなどと言った備品類も、「タダだから」という理由で大量にもらってきては使わずに放置することも普通で、「あー、やっぱり公務員って無駄遣いするんだな」とつくづく感じました。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。