警視庁音楽隊の警察官は警察官の仕事をしない?【元警視庁刑事のコラム】

私が某警察署の刑事課で勤務していた頃、警察学校を卒業したばかりの若い警察官が見習いとして配属されてきました。

小柄で丸メガネをかけた、どちらかといえば穏やかな雰囲気の青年で、正直なところ、最初は「いかにも警察官」というタイプには見えませんでした。

話をしてみると驚きました。彼は音楽大学を卒業したクラリネット奏者で、警察学校時代には警視庁の音楽活動として知られる**「ヤングリーブス」**に所属していたのです。

警察官なのに音楽家?警視庁音楽隊という特殊な配属

一般的に、警察官は警察学校を卒業すると交番勤務や地域警察からキャリアをスタートし、その後、機動隊や刑事課、生活安全課などへ異動していきます。

しかし彼は違いました。

通常であれば機動隊に異動する時期になっても、彼は特例ともいえる形で警視庁音楽隊へ異動。以後、演奏活動を中心とした勤務となり、通常の警察官業務にはほとんど従事しませんでした。

警視庁音楽隊は、式典やイベント、防犯キャンペーン、地域広報活動などで演奏を行う警察組織の広報的な役割を担っています。音楽の専門技術を持つ警察官にとっては、その才能を最大限に活かせる配属先です。

10年後に再会して知った警察音楽隊のキャリア

それから約10年後、思いがけず彼と再会しました。

久しぶりに話をすると、彼はその後も警視庁音楽隊でクラリネット奏者として活動を続けており、巡査部長に昇進していました。

ただ、一度だけ警察署勤務を経験したそうです。

異動先は警務課。1年間、庶務や事務的な業務を担当した後、再び音楽隊へ戻ったとのことでした。

そのとき彼が少し複雑そうな表情でこう話したのが印象的でした。

「このまま定年まで音楽隊かもしれません。でも、一度くらい“本当の警察官らしい仕事”もやってみたいですね」

警察音楽隊は楽な仕事?実は特殊な警察官のキャリア

外から見ると、警察音楽隊は「演奏するだけの仕事」に見えるかもしれません。

しかし実際には、警察組織の一員として規律ある生活を送りながら、公的イベントや広報活動を通じて警察と市民をつなぐ重要な役割を担っています。

一方で、刑事や交番勤務のような現場経験を積みにくいため、「警察官としての実務経験が少ない」という独特の悩みもあるようです。

音楽の才能を活かして警察官になる――。

これはごく限られた人だけが歩める、警察音楽隊という特別なキャリアパスなのかもしれません。

まとめ|音楽大学卒でも警察官になれる

「音楽大学卒で警察官になれるの?」「警視庁音楽隊に入るには?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。

実際、警察には一般的な刑事・交番勤務だけでなく、警察音楽隊という特殊な道も存在します。

私が出会ったクラリネット奏者の彼も、その才能によって異色の警察人生を歩んでいました。

今もどこかで、警視庁音楽隊の一員としてクラリネットを奏でているのかもしれません。

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淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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