とあるホストとキャバ嬢夫婦の悲劇【元刑事のコラム】
深夜に繰り返される110番通報
某警察署で知能犯捜査係長をしていた当時、深夜に何度も110番通報が入る若い夫婦がいました。
- 通報内容:DVや夫婦喧嘩
- 状況:夫は元ホスト、妻は無職で二人とも生活保護を受給
- 通報者:近隣住民や本人たち自身
毎回、現場に駆け付けると泥酔しており、二人とも何を言っているのか分からないような状態。毎回、処理には1時間も2時間もかかりました。
DV対策強化の背景と対応の難しさ
当時、警視庁では**「人身安全事案対策室」**が設置されたばかりで、DVや女性が絡む通報に対して敏感になっていました。
- 男性が女性に「殺す」と言っただけで逮捕されるような厳しい対応
- この夫婦からの110番通報が入るたびに憂鬱な気分に
事件の転機:「夫を切ってしまった」との通報
ある日、妻から「夫を切ってしまった」との110番通報が入りました。現場に急行すると、夫は眉そりで腕を4〜5センチ切られて出血していましたが、傷は浅く、夫は被害届を出さないと主張。
- 判断:事件化は見送り、救急隊に任せて撤収
上司からの叱責と逮捕状の請求
署に戻ると、刑事課長電話が入り「刃物を使っている犯行なのになんで逮捕しないんだ!」と厳しい叱責があり、逮捕状の令状請求をすることになりました。
- 深夜に裁判所へ緊急走行
- 被疑者名の変換ミスにより逮捕状が撤回される事態に
逮捕とその後の展開
再度、請求書類を作成し直し、逮捕状を取得。夫婦宅に行き、妻を傷害罪で逮捕しました。
- しかし、妻は不起訴となり自宅に戻る
- その後も110番通報は続いたが、刃物による事件はなくなる
妻の悲劇と夫の生活保護不正受給発覚
妻の衝撃的な最期
1年後、妻が他署の管内で大量の薬物を飲まされ死亡するというニュースが。
- 加害者:金持ちの男(後に逮捕・有罪判決)
- 背景:売春に関与していたと推測
夫の生活保護不正受給詐欺の告発
その後、区役所の福祉事務所から生活保護費の不正受給による詐欺での告訴が入り、被疑者は例の夫でした。
- 不正受給の内容:
- 生活保護費約20万円を受給しつつ、未申告の収入約500万円
- 送金元:夫の母親、ホスト時代の客、妻の売春収入
- 詐欺の構成要件:収入があったのに申告せず、刑法246条2項詐欺で立件
不正受給詐欺事件の捜査と逮捕
逮捕と捜索の実行
夫を逮捕状と捜索差押許可状で逮捕。自宅を捜索し証拠品を押収。
- 問題発生:自宅にチワワを飼っていたため、世話をホスト時代の客に依頼
取り調べと事件の決着
夫は取り調べに素直に応じ、供述調書を作成して無事に起訴となりました。
感情的側面:取り調べ中に亡くなった妻を思い出し、涙を流す夫の姿が印象的でした。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


