一つの警察署で4か月間に4件の殺人事件特捜本部ができた話【元警視庁刑事のコラム】
品川区の大井警察署における平成10年の連続殺人事件とその捜査
平成10年(1998年)、東京都品川区の大井警察署で、わずか4か月の間に4件の殺人事件が発生しました。この年は、警視庁内でも「魔の平成10年」と呼ばれ、警察官たちにとっても記憶に残る年となりました。今回は、これらの事件の詳細とその捜査経緯についてご紹介します。
第一事件:大井町駅近くの質店での強盗殺人事件
最初の事件は、JR京浜東北線大井町駅近くの質店で発生しました。店主が日中堂々と強盗に襲われ、刺殺されるという衝撃的な内容でした。私は盗犯刑事として、事件直後に現場に駆けつけ、店前で倒れていた店主を発見しました。この事件は警視庁捜査一課主導の特捜本部で捜査されましたが、犯人は未解決のまま時効を迎えました。
第二事件:水神公園で発見された遺体
2件目の事件は、JR大森駅近くの品川区立水神公園内で発見された若い男性の遺体に関連しています。この男性は顔の一部を切除されており、カラスがその部分を運んだと考えられました。この事件も特捜本部により捜査され、「第一特捜」と「第二特捜」と呼ばれる捜査班が立ち上げられました。私は司法解剖に立ち会い、事件の進展を見守りました。
第三事件:住宅街で発見された男性遺体
3件目は、住宅街の駐車場内で発見された男性遺体です。男性は喉を切られて失血死しており、事件発覚から数日後に発見されました。この事件は、警視庁捜査一課が「準特捜本部」を立ち上げて捜査しましたが、最終的に連続殺人事件の一環であることが明らかになりました。
密入国者による連続殺人事件の解決
第三特捜事件では、密入国者の中国人が関与していたことが判明しました。捜査員の努力により、容疑者2名が逮捕され、その後の捜査で連続殺人事件であることが明らかになりました。事件の詳細は、アパートに住む3人の中国人が関与し、兄弟を殺害して捨てるというものだったのです。犯人たちは供述し、事件は解決を見ました。
第四事件:女性が殺害されたマンション内の事件
第四の事件は、平成10年12月下旬に発生しました。大井署では「第四特捜本部」が設立され、事件は捜査一課によって取り扱われました。被害者は水商売の女性で、犯人の特定には時間がかかり、最終的には時効を迎えてしまいました。
現代の防犯カメラと捜査の進展
平成10年の事件が現代で発生していれば、街中に設置された防犯カメラが重要な手掛かりとなり、早期に犯人が捕まったことでしょう。しかし、当時は防犯カメラが少なかったため、事件は長期間未解決のまま時効を迎えることになりました。
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
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そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
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