証拠品のパソコンをうっかり壊したら自費弁済だった話【元刑事のコラム】

 2010年代、ある警察署の知能犯捜査係長当時、特殊詐欺の受け子を逮捕し、某県内の自宅にガサに行ってノートパソコン1台を押収してきました。その警察署の前は、生活経済課という部署で勤務していました。生活経済課では、悪徳企業にガサに入ることが多く、一度に数十台ものパソコンを押収してくることが度々あり、押収したパソコンはハードディスクを外して、そのハードディスクだけを本部に持ち込んで解析してもらうという手法でした。このやり方が染みついていた私は、持ち帰ったノートパソコンを自分で開き、中のハードディスクを取り出そうとしました。ところが、このノートパソコンは外資系メーカーの製品で、ユーザーが勝手に開けないよう、かなり特殊な構造になっており、ネジを外してそのまま力任せに開いたところ「パキッ」とケースが割れてしまったのです。仕方なく、正直に上司に相談したところ、「なんで自分で開けたの?そのまま持ち込めば本部で開けてくれたのに」とのこと。私が生活経済課にいる間に、刑事部ではやり方が変わっていたのです。
 上司はあちこちに電話して壊れたパソコンをどうしたらいいかを聞いてくれましたが、結果はこうでした。「壊れた証拠品の修理代に当てる予算がない。所有者に裁判所に損害賠償請求を提訴してもらい、勝訴判決が出れば予算を充てられる」というものでした。逮捕されて留置場に入っている人間に「パソコン壊しちゃったから裁判で訴えて」なんて頼める訳がありません。仕方なく、私はそのパソコンメーカーの修理窓口に電話をかけて修理依頼し、ケース交換で4万5000円を自腹で支払いました。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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