ある捜査一課管理官の言葉(刑事と息子の会話)【元刑事のコラム】
大井警察署で、わずか4か月の間に4件もの殺人事件が発生したことがありました。重大事件が連続すると、刑事課や捜査一課の刑事たちは昼夜を問わず捜査に追われ、警察署はまさに戦場のような状態になります。
そんなある深夜、捜査本部で束の間の休憩を取っていたとき、50代後半の捜査一課管理官(警視)が、ぽつりと語った言葉が今でも忘れられません。
この管理官は、巡査時代から一貫して刑事畑を歩んできた、いわゆる“叩き上げ”のベテラン刑事でした。警視庁捜査一課での勤務経験も長く、長年にわたり第一線で凶悪事件の捜査に従事してきた人物です。
当然ながら、その代償は小さくありませんでした。
結婚して息子さんが生まれても、仕事中心の生活は変わらず、休日出勤や深夜勤務が当たり前。家族と過ごす時間はほとんどなく、遊園地や旅行、観光地に連れて行った記憶もほぼなかったそうです。
やがて、この管理官がある警察署の刑事課長に就任すると、勤務環境が変わりました。宿直勤務は月1〜2回程度になり、土日祝日に休めることも増えました。
そこで、今まで何もしてやれなかった息子さんにこう声をかけたそうです。
「今まで仕事ばかりで、お前をどこにも連れて行ってやれなくて悪かった。これからは休みも取れるから、どこか行きたい場所があれば連れて行ってやるよ。」
すると、返ってきた言葉は、予想もしないものでした。
「お父さん、ぼくは小さい頃、友だちが親にいろんな場所へ連れていってもらっているのが本当にうらやましかった。でも我慢してたんだよ。だけど、もう高校生なんだ。もうお父さんと一緒にどこかへ行きたい年齢じゃない。遅すぎるよ。」
管理官は静かにこう言いました。
「喜んでくれると思ったんだけどね……ショックで何も言えなかったよ。」
警察官の仕事は本当に家庭を犠牲にするのか?
昔の警察、とくに刑事の世界では、「仕事が最優先」という空気が強くありました。殺人事件や強盗事件などの重大事件が発生すれば、連日徹夜で捜査することも珍しくありません。
そのため、
- 警察官は家庭を顧みる時間が少ない
- 刑事は休みが取れない
- 家族との時間を犠牲にしやすい
という現実が確かにありました。
現在の警察官の働き方は改善している
もっとも、現在の警察組織ではワークライフバランスの改善が進み、以前のような極端な働き方はかなり減っています。
- 休暇取得の推進
- 長時間労働の是正
- 育児参加への理解
- ハラスメント対策の強化
など、民間企業と同様に働き方改革が進んでいます。
そのため、この管理官のように「家族との時間をほぼ失ってしまった刑事」は、今ではかなり少なくなっているはずです。
元刑事として思うこと
警察官という仕事は、社会の安全を守る非常に重要な職業です。しかし、その使命感の裏で、家族が犠牲になってしまうケースがあったのも事実です。
この管理官の話は、単なる昔話ではなく、仕事と家庭のバランスの大切さを考えさせられる実話として、今でも強く記憶に残っています。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


