犯行再現で6回殺された話【元刑事のコラム】
警視庁大井警察署刑事課勤務中だった平成10年((1998年)9月、この月だけで大井署管内で3件の殺人事件が発生しました。1件目は迷宮入りし、公訴時効が完成してしまいましたが、2件目と3件目は犯人が検挙されました。当初、別事件と思われていたこの2件は、捜査の結果、被害者が兄弟であることが判明し、幸運もあって中国人の被疑者3名全てを逮捕することができました。(詳細はこちら)
犯人の取調べにおいて、「犯行再現」をやることになりました。署の道場に犯行現場と同じようなセットを作り、そこで刑事が被害者役となり、段ボールで作った摸擬包丁を持った犯人が殺害したときの状況を再現し、その状況を写真撮影して報告書にするというものです。私は、この犯行再現で被害者の兄弟役をやることになりました。犯人3人×被害者2人なので犯行再現は6回行われました。つまり、私は6回殺されたことになります。段ボールの模擬包丁とはいえ、実際に人間を刺し殺した犯人らに馬乗りになられて首や顔をめった刺しにされるのは、少し寒気がしました。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。


