指名手配について【元刑事が解説】
交番の掲示板などに写真入りで掲載されている犯人の正式な手配名は「全国第一種指名手配」と言います。登録するには各都道府県警の捜査共助課の厳しい審査があり、「逮捕状が発布されていること」「指紋やDNAが合致しているか写真面割りで特定されて人違いのおそれがないこと」などの条件があります。万が一の誤認逮捕を防止するためです。手配されると、警察庁のデータベースに登録され、全国どこの警察署で照会しても即座に指名手配されていることがわかります。指名手配犯人が見つかった場合、見つけた警察官がその場で、または一旦近くの警察署等に任意同行した上で、逮捕状の緊急執行をして逮捕します。これは、逮捕状は通常1通しかなく、事件を扱っている警察署にしかないからです。ファックス等で逮捕状を送信してもらい、内容を読み聞かせた上、逮捕状原本を持ってくる時間的余裕がないから、逮捕状なしに逮捕する旨を告げて逮捕します。逮捕した犯人は、逮捕時から48時間以内に必要な取調べ等を行った上で、検察庁に送致しないとなりません。したがって、手配した警察署の警察官が、逮捕した警察署に迎えに行ったのでは間に合わないことがあります。そこで、第一種指名手配では、逮捕した警察署の警察官が、手配した警察署に犯人を護送することになっています。例えば、那覇警察署が手配した犯人が札幌で逮捕された場合、札幌の警察官が那覇警察署まで犯人を護送するということです。
2010年頃までは、遠方の県警から指名手配犯人を連れてきてくれると、手配した警察署側では一席設けて待ち構えており、ビールや日本酒で歓待するのが当たり前でした。私の同僚が新潟のある警察署に連れていったときは、新潟の有名な日本酒が大量に準備してあり、非常に感謝されたそうです。最近は、警察署内で酒を飲むという風潮が衰退してしまったため、現在ではこういう光景はほとんど見られません。
この護送制度には例外があります。千葉県の成田国際空港警察署です。ここでは指名手配犯人が海外に逃亡しようとしたり、逆に海外から逃げ戻ってきたりで、毎日のように指名手配犯人が捕まるため、一々署員が全国に護送していたら、通常業務ができなくなってしまいます。そこで、この警察署だけは例外で、手配した警察署が迎えに行かないとなりません。私も一度だけ迎えに行ったことがありますが、署員の人たちはそれはもう慣れたものでした。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


