「公安係」って何をしているの?【元刑事が解説】
ほとんどの警察署に「公安係」が存在します。通常は、警備課内の係としての位置付けです。ただし、警察署の受付付近にある署内案内板に「公安係」の記載はありません。表向きは存在しないかのような扱いになっています。公安係の部屋の前にも係名等の表示は一切ありません。署内の内線電話で公安係に電話をしても「はい4444です」などと係名を言わず、内線番号で答えるくらいです。また、署員が刑事課や生活安全課の部屋に入る際は、特に断りもなく自由に入れるのですが、公安係の部屋だけは別で、ノックして「○○課の○○ですが、入っていいですか」と尋ね、OKがないと入室してはいけない決まりになっています。そして、入室すると、中にいる係員は全員ノートPCの画面をたたみ、開いていた書類があれば裏にします。
このような徹底秘匿主義の公安係ですが、主な任務は、極左暴力集団(中核派、革マル等)や一部の政党・宗教団体等に対する情報収集・取り締まり、外事事件捜査、北朝鮮関連情報収集、外国人オーバーステイ等捜査となります。実際に事件として犯人を逮捕したり、書類送致することはオーバーステイ以外は希で、仕事のメインは情報収集です。1990年代頃までは、極左暴力集団が鉄パイプで抗争したり、爆弾や手製迫撃弾を使ったテロ行為を行っていたため、公安部にもそれなりの仕事があったのですが、現在の極左暴力集団は幹部クラスが年寄りばかりになって、おとなしくなってしまったため、そうした事件扱いがすっかりなくなったのです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
