刑事と生活安全、なるならどっち?【元刑事が解説】
警察官として採用され、警察学校を卒業すると、基本的に全員が警察署の交番勤務(地域課)からキャリアをスタートします。その後、勤務実績や適性が評価され、上司の推薦を受けることで、刑事課や生活安全課など専門部署へ進む道が開けます。
警察官を目指している方の中には、
- 刑事と生活安全課の違いは?
- どちらの仕事が大変?
- 自分に向いているのはどっち?
と疑問に思う方も多いでしょう。
私は元刑事として刑事課を経験し、その後、警察本部で生活安全部門の業務にも携わりました。その実体験をもとに、刑事と生活安全課の仕事内容・メリット・デメリット・向いている人の特徴をわかりやすく解説します。
刑事の仕事内容とは?
刑事課は、一般の方がイメージする「警察の花形」ともいえる部署です。主に刑法犯を扱い、窃盗・暴行・傷害・詐欺・殺人など、犯罪捜査の中心を担います。
刑事のメリット
1. 警察の花形部署として人気が高い
刑事ドラマの影響もあり、警察官を目指す人の多くが憧れる部署です。
2. 人員が比較的多い
多くの警察署では、生活安全課より刑事課のほうが人数が多く、事件対応時に人的負担を分散しやすい傾向があります。
3. 捜査ノウハウが確立されている
刑法犯が中心のため、過去の判例や捜査手法が蓄積されており、比較的体系的に仕事を覚えやすい面があります。
刑事のデメリット
1. 変死体の取り扱いがある
刑事課では、不自然死や原因不明の死亡事案(変死)を扱います。遺体の確認や検視関連業務が避けられません。
2. 解剖への立ち会いがある
事件性の有無を確認するため、司法解剖などへの対応が必要になることがあります。
3. 重大事件では捜査本部対応
殺人事件や大規模事件が発生すると、長時間・連日の捜査本部勤務になることもあります。
4. 現行犯事件が多い
ケンカ、万引き、無銭飲食、DVなど、即時対応が必要な案件が頻繁に発生します。
5. 被害届や告訴対応が多い
被害届・告訴状・告発状の受理後、その後の捜査まで継続して担当することが多く、業務量はかなり多めです。
6. 火災や選挙違反事件も担当する場合がある
火災原因調査や選挙違反捜査を担当するケースもあります。
生活安全課の仕事内容とは?
生活安全課は、市民の身近なトラブルや生活に密着した問題を担当する部署です。
担当分野は非常に幅広く、
- DV(ドメスティック・バイオレンス)
- ストーカー
- 少年事件
- 痴漢事件
- 風俗営業・古物営業の許認可
- 銃砲関連業務
- 精神トラブル対応
など、多岐にわたります。
生活安全課のメリット
1. 変死や火災対応が比較的少ない
刑事課に比べると、遺体対応や危険現場への出動は少ない傾向があります。
2. 凶悪事件を担当する機会が少ない
殺人・強盗・大規模事故などの極めて重い事件に直接関わる機会は比較的少なめです。
3. 市民生活に近い仕事が多い
住民の困りごとに直接対応するため、「人の役に立っている」という実感を得やすい部署です。
生活安全課のデメリット
1. 扱う法律が非常に多い
刑法だけではなく、多数の特別法を扱います。中にはほとんど前例のない案件もあり、法解釈に悩むことがあります。
2. 人員が少ないことが多い
刑事課より人数が少ない警察署も多く、一人あたりの負担が重くなりがちです。
3. 精神トラブル対応がある
暴れたり、自傷行為のおそれがある方への対応は精神的にも体力的にも大変です。
4. 民事と刑事の境界が曖昧な案件が多い
DVや家庭内トラブルなど、「事件化しないが放置できない案件」への対応が求められます。
5. 少年事件の事務負担が重い
成人事件より作成書類が多く、手間がかかる傾向があります。
6. 許認可業務がある
古物商、風俗営業、銃砲所持などの行政事務も担当するため、捜査だけではありません。
刑事と生活安全課、どっちが向いている?
刑事に向いている人
- 犯罪捜査に強い興味がある
- 刑事ドラマのような仕事に憧れる
- 体力・精神力に自信がある
- 遺体や重大事件対応に抵抗が少ない
生活安全課に向いている人
- 市民の相談対応が苦にならない
- 法律を幅広く学ぶのが好き
- 粘り強く調整や交渉ができる
- 遺体対応を避けたい
元刑事の結論|刑事と生活安全課の最大の違い
刑事課と生活安全課には細かな違いが数多くありますが、元警察官としてあえて一言でまとめるなら、
「変死(遺体)対応があるかどうか」
これが最も大きな違いだと思います。
実際、警察内部では
「変死対応がないから生活安全課を希望した」
という声を聞くことも珍しくありません。
ただし、その代わり生活安全課には、DV・精神トラブル・少年事件など、刑事課とは別の大変さがあります。
警察官としてどちらが楽かではなく、自分の適性に合うのはどちらかで考えるのが正解です。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


