勤務した赤坂警察署、大井警察署、麹町警察署、深川警察署、板橋警察署、浅草警察署の思い出【元警視庁警察官が語る】

1.赤坂警察署(勤務1992~1995)
 警察学校を卒業後、最初に配置されのが都心にある赤坂警察署でした。当時バブル経済の破綻後でしたが、それでもバブル時の余韻はまだまだ残っており、歓楽街には高級料亭、高級クラブなどが多数残っており、政治家やヤクザ関連の事案も随分と扱いました。また、管内には、衆議院議員宿舎や米国大使館、皇室赤坂御所、神社庁などの重要防護対象も多く、警備の面でも多忙でした。そして、そこに発生したのがオウム真理教による地下鉄サリン事件です。赤坂警察署はサリン事件の現場であると同時に、教団の青山総本部が管内にあったことから、事件発生以後、地域課(交番)は三部制+非番勤務というとんでもない勤務態勢を2~3ヶ月続けることになりました。三部制+非番勤務とは、仮に9月1日を1日目としますと、9/1午前8:30出勤(準備があるので実際の出勤時間は7:30)、指示を受けた後、交番に行って非番員(夜勤明け)と交代。そのまま9/2午前9:30頃まで勤務後、当日の当番員と交代。交代後は本署に上がり書類整理などした後、午前11:00~午後0:00頃一旦帰宅。その日の午後8:00に再出勤し、9/3午前9:30までオウム真理教青山総本部前で警備勤務。日勤の機動隊員が来て交代してくれればやっと帰宅できるという勤務態勢でした。その後30年勤務しましたが、非番勤務というのは後にも先にもこのときしか経験したことはありません。

2.大井警察署(勤務1996~2001)
 機動隊で昇任して巡査部長として赴任しました。都心にあった赤坂警察署とは打って変わって住宅街のど真ん中にある警視庁としては小さな警察署でした。建物は5階建てでしたが、エレベーターが無く、特捜本部ができて5階の道場にコピー機を担いで階段を上がったときは死ぬかと思うくらいきつかったです。比較的ヒマな署でしたが1998年の9月から12月にかけて殺人事件が連続して4件発生し、全部が特捜事件となり、署内は大騒ぎになりました。詳細はこちら この事件のうち2件は犯人が捕まって解決しましたが、残りの2件は犯人不明のまま時効が成立してしまいました。

3.麹町警察署(勤務2001~2005)
 麹町警察署は、皇居の半蔵門近くにあり、再び都心の署に戻ってきました。管内に国会議事堂、首相官邸、最高裁判所と三権の長が全てあるという重要防護対象だらけの署でした。さらに英国大使館はじめ各国大使館、靖国神社、日本テレビ本社(現在は移転)、警視総監公邸、上智大学、武道館、警視庁本部、警察庁、外務省、ニューオータニなどの一流ホテル群などなど、重要施設が目白押しでした。これといった繁華街がないため、酔っ払い同士のケンカなどの扱いは少なかったものの、靖国神社に車で突っ込んだり、精神錯乱者が官庁に侵入してパソコンを何台も壊したり、国会にダンプが突っ込んだりとマスコミに大きく報道されるような事件が定期的に発生しました。また、高級マンションが多かったことから、空き巣も結構多く発生がありました。

4.深川警察署(勤務2007~2010)
 都心から若干東南にあり、「水かけ祭」で有名な富岡八幡宮がある署です。大部分が住宅街ですが、南側の豊洲や東雲、有明はお台場地区に隣接した湾岸エリアで観光客なども多く集まり、そこそこ忙しい署でした。1年に2回、国際展示場でコミケが開かれる場所でもあります。古くは川俣軍司による通り魔事件や、宮崎勤による連続幼女殺人事件などの現場になった署でもあります。また、私がいる間に江東マンション神隠し殺人事件が発生しましたが、犯人は逮捕されて無期懲役になりました。

5.板橋警察署(勤務2018~2022)
 東京23区の北西にある住宅街中心の署です。とにかく管内住民数が多く、また東武線一本で池袋に出られることからホスト・キャバ嬢など水商売関係者も多く、DVなどの男女トラブル、万引き、性犯罪、放火、変死などが毎日発生し、刑事課長は週に1回は夜中に呼び出しを受けるような忙しさでした。

6.浅草警察署(勤務2022~2024)
 日本一有名な観光地です。着任当時はコロナ禍で観光客が少なく、イベントやお祭りも中止か縮小開催で楽できたのですが、コロナ沈静化以後は、人並みが戻り一気に忙しくなりました。ほとんど毎週どこかでお祭りかイベントをやっている感じでその度に休日出勤させられました。酔っ払いも非常に多く、保護やケンカも毎日複数でした。いわゆる山谷地区も浅草管内にあり、20年ほど前まではちょっとしたことで暴動が起こることから、機動隊のバスが待機したような時代もありましたが、現在は年寄りばかりになって静かなものです。
 


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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