昔の刑事部屋には板前がいた件【元刑事が解説】
警視庁警察署の内勤(刑事課、生活安全課、警備課など)は、2015年頃までは6部制(現在は8部制)で、6日に1回、朝から翌朝までの宿直勤務がありました。したがって刑事課員は6つの班に分けられていたのですが、その各班に一人ずつ料理担当の「板さん刑事」が決められていました。この「板さん刑事」は、朝から食材の買い出しや料理に取りかかり、万引きの逮捕があろうが、変死があろうが、一切タッチせず、ひたすら料理を作り続けます。メニューは、基本的に「うどん」か「カレー」しかありません。日によっては、これにサイドディッシュが付くこともあります。大鍋でとんでもなく大量に作るので、昼・夜・朝と3回食べられることもあります。「板さん刑事」は、年配の巡査部長であることが多く、長年各署で「板さん刑事」として渡り歩いてきた経歴があり、腕は確かです。「板さん刑事」の作る料理は一人一人こだわりが強く、特にカレーには個性が出ます。フルーツジュースを大量に入れたさわやかカレーがあれば、チョコレートを入れた濃厚なカレーもありました。
こうした「板さん刑事」の活躍は、2000年代に入った頃から急激に減りだし、2010年代に入ってからはほとんど見られなくなりましたが、年末年始の休日の宿直勤務などでは、今でも板さん刑事がうどんやカレーを作ることがあるようです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
