法人を告訴することはできませんが、法令によっては告発することができます【元刑事が解説】
告訴とは、犯罪による被害を受けた被害者(告訴権者)が、犯人の処罰を求めて捜査機関に申し出る手続きです。
この告訴は原則として被害者本人または法律で認められた者のみが行うことができます。
被告訴人に記載する内容とは
犯人が判明している場合、告訴状の「被告訴人」欄には以下の情報を記載します。
- 住所
- 氏名
- 職業
- 年齢(生年月日)
これらの情報は、捜査機関が人物を特定するために重要な要素となります。
法人は被告訴人になれるのか?
結論から言うと、被告訴人になれるのは自然人(個人)のみです。
なぜなら、暴行・詐欺・脅迫といった犯罪行為は、実際には人間の行為として行われるものであり、法人そのものが直接行為主体になることはないためです。
たとえ「会社ぐるみ」の不正や詐欺であっても、
- 実行に関与した役員
- 従業員
といった個人が被告訴人となります。
そのため、告訴状に法人名を被告訴人として記載することはできません。
法人が処罰されるケース(両罰規定)とは
もっとも、「法人は一切処罰されない」というわけではありません。
一定の犯罪では、両罰規定が適用されることがあります。代表例としては以下のとおりです。
- 廃棄物処理法違反
- 不正競争防止法違反
- 脱税(租税犯罪)
両罰規定とは、違反行為を行った従業員などの個人だけでなく、その法人にも罰金刑などを科す制度です。
法人が関与する場合は「告発」を検討
法人の関与する犯罪を申告する場合、重要なのが告訴と告発の違いです。
- 告訴:被害者のみが行う(法人は対象外)
- 告発:第三者でも可能(法人も対象に含められる)
このため、法人ぐるみの違法行為を申告する場合は、**告訴ではなく「告発」**という手続きになります。
告発状では、
- 関与した従業員の氏名
- 法人名
を併記することが可能です。
捜査機関での取り扱い(送致時の記載)
警察が事件を検察庁に送致する際には、送致書において
- 個人(実行行為者)
- 法人名
の両方が記載されることがあります。
これにより、個人責任と法人責任の両面から処理が行われる仕組みとなっています。
まとめ
- 告訴できるのは被害者などの告訴権者のみ
- 被告訴人になれるのは個人のみ(法人は不可)
- 法人が関与する場合は両罰規定により処罰されることがある
- 法人を対象にする場合は「告発」を利用する
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
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「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
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