警視庁暴力団対策課の警部補が地方公務員法違反で逮捕された件について
2025年11月12日、警視庁暴力団対策課の警部補(43歳)が捜査情報を漏らしたという地方公務員法違反(守秘義務違反)の容疑で逮捕との報道がありました。この件では、2か月ほど前に某局のテレビ報道で、犯罪グループ側のSNSに「内部情報で○○のガサが近いから気をつけろ」などの画面が流されており、「あー、これは内通しているヤツがいるわ」と思っていたところでした。逮捕された警察官は、当然、見返りに現金や飲食などを受け取っているはずなので、証拠が見つかれば今後贈収賄事件に発展することが十分考えられます。
こうした警察官による組織を裏切る行為は昔から後を絶ちません。特に多いのがこの暴力団関係部署です。暴力団関係部署の一番の仕事は「ネタ取り」です。「どこそこの組と組がドンパチはじめそうだ」「あの組とこの組は手打ちになるらしい」「○○組の若頭は破門になった」「○○組の武器庫は○○市内にあるらしい」こうした情報を得るために、暴力犯刑事たちは、現役や元ヤクザと接触して情報を得ようとします。最初のうちは複数の刑事で会って、距離を置いていたのに、誘いに乗って1対1で一緒に飲むようになったりすると危険です。女を抱かされたり、現金や飲食代を受け取るようになり、弱みを握られ脅されて後に引けなくなるのです。昔から言う「ミイラ取りがミイラになる」というやつです。私自身はこういうネタ取りが必要な部署で勤務したことがほとんどないのですが、抗争が発生したときに、暴力犯刑事のお供で、組事務所に行ったことがあります。その刑事はそこの事務所に何度も出入りしており、番をしていた若い衆とはすっかり打ち解けて友だちのようでした。その刑事は非常に真面目で素晴らしい人格者であり、その後順調に昇任して、現在はどこかの署の刑事課長か本部の管理官になっていると思います。彼に関しては、内通などは絶対なかったと思います。欲のない、真っ当な刑事には、ヤクザも手は出しません。逆に言えば、今回逮捕された警部補は、いろいろな欲が強かったのでしょう。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。


