告訴ってなに?【元刑事が解説】

告訴とは、簡単に言うと 警察官への捜査・送致命令書 です。検察官に提出する場合は 捜査・起訴依頼書 となり、警察と検察で扱いが異なります。警察に告訴状を提出すると、警察は必ず事件を捜査し、検察庁に送致(または送付)する義務を負います。なので「命令」に等しいのです。一方、検察官は受理しても起訴する義務がないため「依頼書」としました。

行政書士が作成できる告訴状とは?
行政書士が作成できるのは、警察に提出する告訴状 だけです。したがって、ここでは 警察に対する告訴 について詳しく解説します。

告訴の種類と親告罪の違い

告訴には 「通常の告訴」「親告罪の告訴」 の2種類があります。

通常の告訴:被害者が「犯人を処罰してほしい」と強く希望する場合に行う手続きで、罪名に制限はありません。窃盗、横領、詐欺、暴行、傷害、恐喝、特商法違反、迷惑防止条例違反など、さまざまな犯罪で告訴が可能です。

親告罪の告訴:検察官が起訴するために告訴が必須となる犯罪です。例えば、器物損壊、名誉毀損、侮辱、過失傷害、著作権法違反 などが該当します。被害届だけでは、検察官は起訴することができません。

どちらの告訴も、警察が受理すれば 必ず事件を検察庁に送致 する義務があります。仮に示談が成立して告訴が取り消された場合でも、送致義務は消えません。さらに、被告訴人が死亡したとしても、送致義務は変わりません。

警察が告訴を簡単に受理しない理由

警察は、告訴事件を送致する際、検察官の厳しい事前審査 をクリアする必要があります。そのため、警察は簡単に告訴を受理しないのです。

告訴と被害届の決定的な違いとは?

最大の違いは 「送致義務」 にあります。

  • 告訴:警察は受理すれば必ず検察庁へ送致しなければなりません。
  • 被害届:送致義務がないため、警察の倉庫には処理されない被害届が大量に保管されています。

もしすべての被害届を送致しなければならないとすれば、刑事の人数は 現在の3倍 は必要になるでしょう。

まとめ

告訴は、警察が必ず事件を検察庁へ送致する重要な手続きです。一方、被害届には送致義務がないため、警察内で放置されるケースも少なくありません。警察と検察の仕組みを正しく理解し、適切な手続きを選ぶことが大切です。

旧記事
 簡単に言うと告訴は警察官に対する捜査・送致命令書です。検察官に提出する場合は、捜査・起訴依頼書になります。警察と検察で異なってくるのは、警察に提出した場合、警察は何があっても事件を捜査して検察庁に送致(または送付)する義務を負うからです。検察官は受理しても起訴する義務は負いませんので「依頼書」としました。行政書士は、警察に提出する告訴状しか作成できませんので、ここでは対警察告訴の話しをします。
 告訴は2つに分けられます。通常の告訴と親告罪の告訴です。通常の告訴は、何が何でも犯人を処罰してほしいと強く思ったときに、被害者ができる手続です。罪名に制限はありませんので、被害者が存在する犯罪であれば、窃盗、横領、詐欺、暴行、傷害、恐喝、特商法違反、迷惑防止条例違反などの告訴が可能です。親告罪とは、公訴提起(検察官による起訴)の条件として告訴が必要な罪です。器物損壊、名誉毀損、侮辱、過失傷害、著作権法違反などです。被害届では検察官は起訴することができません。どちらの告訴にしても、受理した警察は、必ず事件を検察庁に送致しないとなりません。仮に示談が成立して告訴人が告訴状を取り消しても、送致義務は消えません。被告訴人が死亡しても消えません。そして、告訴事件の送致について、検察官は事前審査で極めて厳しい要求をしてくるので、警察は簡単には送ることができません。なので、警察は簡単に告訴を受理しないのです。
 告訴と被害届の一番大きな違いは、「送致義務」です。告訴は必ず送致と書きましたが、被害届には送致義務がないので、警察の刑事課倉庫内には、被害届が綴じられたドッチファイルが山のように積まれています。もしあれを全件送致しないとならないとすれば、刑事は今の3倍は必要でしょう。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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