告訴と提訴と起訴の違い 告訴状作成5.5万円~【元刑事が解説】

告訴・提訴・起訴の違いを分かりやすく解説

「告訴」「提訴」「起訴」は字面が似ているため、混同されやすい用語です。しかし、それぞれ意味や使われる場面は全く異なります。簡単に分類すると、

   ・告訴、起訴:刑事事件に関する手続き

   ・提訴:民事事件に関する手続き

本記事では、それぞれの意味と違いを詳しく解説します。


提訴とは?(民事裁判)

**提訴(ていそ)**とは、裁判所に対して民事上の法的紛争の解決を求めることを指します。法律上は「訴えの提起」または「訴訟の提起」と呼ばれます。

提訴の特徴

   ・誰でも可能(一般人・法人・官公署)
   ・主なケース:損害賠償請求、不動産明け渡し請求 など
   ・手続きの流れ:提訴 → 裁判 → 判決 or 和解

民事裁判では、途中で和解に至ることもあります。なお提訴にはお金がかかります。


起訴とは?(刑事裁判)

**起訴(きそ)**とは、検察官が犯罪を犯した疑いのある者(被疑者)について、裁判所に公判(裁判)の開廷を求める刑事手続きのことです。正式には「公判請求」と言います。

起訴の特徴

   ・起訴できるのは検察官のみ(警察や裁判官、被害者は起訴できない)

   ・裁判の構図:常に検察官 vs. 被告人 これ以外はあり得ない

   ・判決の確定:民事裁判の和解のような制度はなく、必ず有罪・無罪の判決が出る

刑事裁判では、被告人が途中で死亡するなどの特別な事情がない限り、裁判は進行します。刑事手続きについては、お金は一切かかりません(個人で弁護士依頼する場合除く)。


告訴とは?(刑事事件の申立て)

**告訴(こくそ)**とは、犯罪被害者(告訴権者)が捜査機関(警察・検察など)に対し、事件捜査と加害者の処罰を求める手続きのことです。

告訴の特徴

   ・刑事訴訟法に基づく手続き

   ・告訴権者のみが行える(例:被害者の夫が代わりに告訴することは不可)

   ・告訴を受理した警察は、必ず検察庁に送致する義務がある

告訴を受けた検察官は、起訴するか不起訴にするかを決定し、結果を告訴人に通知します。告訴それ自体にもお金はかかりません。


告訴・提訴・起訴の違いまとめ

項目提訴(民事)起訴(刑事)告訴(刑事)
意味民事裁判を起こす検察官が刑事裁判を開始する被害者が犯罪の処罰を求める
誰ができる?一般人・法人・官公署検察官のみ被害者(告訴権者)
進行先裁判所(民事部)裁判所(刑事部)捜査機関(警察・検察)
判決・結果和解の可能性あり必ず有罪・無罪が決まる検察官が起訴するか決定

 告訴と提訴と起訴。字面が似ていることもあり、しばしば混同されて使われているのを見かけます。ざっくり言えば、告訴と起訴は刑事裁判のもので、提訴は民事裁判のものです。
 まず、提訴から説明します。提訴は一般用語であり、法律上は「訴えの提起」又は「訴訟の提起」と言います。裁判所に対して、私人間の法的紛争の解決を求めて訴え出ることを言います。提訴は誰でもできます。一般人はもちろん、法人、官公署もできます。損害賠償請求や、不動産明渡請求など通常訴訟の他、手形・小切手訴訟、少額訴訟などがあります。裁判では、判決を求めて提訴しますが、途中で和解となることもあります。
 起訴も正しくは「公判請求」と言います。検察官が、犯罪を犯したと疑われている者(被疑者)の審理を求めて、裁判所に対して公判(裁判)を開始するように求める刑事上の手続を言います。起訴できるのは検察官だけであり、警察官も犯罪被害者も起訴することはできません。民事訴訟が、一般人VS一般人、一般人VS法人、一般人VS官公署、法人VS官公署など複数の対立構図があるのに対し、刑事裁判は常に検察官VS被告人の構図となり、これ以外にはありません。公判が開始されれば、被告人が途中で死亡するなどの場合を除き、有罪か無罪かの判決が必ず出されます。民事裁判のように和解やそれに相当する制度はありません。
 告訴は、刑事訴訟法に定められており、犯罪被害にあった被害者(告訴権者)が、捜査機関(警察、検察等)に対して、その犯行を行った者の処罰を求める手続を言います。報道などで「刑事告訴」という表現をされることがありますが、「民事告訴」は存在しないので、この表現は正しいとは言えません。告訴(状)は、捜査機関にしか提出することができないので、捜査機関ではない裁判所に提出しようとしても受け取ってはもらえません。告訴は、告訴権者しかできませんので、妻が名誉毀損の被害にあったからといってその夫がすることはできません。警察が告訴を受けた場合は、必ず検察庁に送致しないとならず、この点が被害届との一番大きな違いとなります。告訴を受理又は送致を受けた検察官は、起訴の責任は負わず、不起訴とすることが可能ですが、その結果は処分結果通知書で告訴人に通知する義務があります。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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