告訴権者について【元刑事が解説】
告訴権者とは、犯罪により害を受けた人が告訴を行う権利を持つ人物を指します。一般的に告訴できるのは、「犯罪により被害を受けた者」に限られます。以下に具体的な例を挙げます。
告訴権者の具体例
- 物品を盗難にあった者
- 金品を騙し取られた者
- 暴行を受けた者
- 脅迫を受けた者
- 壊された物の所有者
- 名誉を毀損された者
告訴権者の範囲
告訴権は原則として被害を受けた本人にしか認められません。例えば、「名誉を毀損された妻」の夫は、妻が生きている限り告訴権者とはなりません。しかし、器物損壊罪などでは、物の所有者だけでなく、利用者にも告訴権が認められることがあります。例えば、賃貸マンションの窓ガラスが割られた場合、オーナーだけでなく、賃貸居住者にも告訴権があります。これは、昭和45年の判決により確立された重要なポイントです。
告訴権者の年齢
告訴権者の年齢に関する明確な基準はありませんが、一般的には13歳以上の者が告訴権を持つとする裁判例が多いです。それ以下の年齢の場合、両親のいずれかが告訴権者となります。
法定代理人が告訴する場合
被害者が告訴できない場合、法定代理人(未成年者の両親、養親、後見人など)が告訴権者となり、告訴を行うことができます。ただし、認知者や継父母は告訴権者にはなりません。また、法定代理人が被疑者である場合には、他の親族が告訴権者となることがあります。
皇族に対する名誉毀損の告訴権者
皇族に対する名誉に関する罪の場合、告訴権者は内閣総理大臣となります。
被害者が存在しない犯罪の場合
贈収賄、公然わいせつ、薬物犯罪、銃刀法、公職選挙法といった被害者が存在しない犯罪は告訴することはできません。(刑事)告発状を提出することになります。
旧記事
告訴する権利を持つ人を告訴権者といいます。告訴することができるのは、「犯罪により害を被った者」です。具体例を挙げますと「盗まれた物の所有者」「横領された物の所有者」「金品を騙し取られた者」「殴られた者」「脅された者」「壊された物の所有者」「名誉を毀損され者」などになります。あくまでも本人になりますので、「名誉を毀損された妻」の夫は、妻が死亡しない限り告訴権者にはなりません。器物損壊罪で問題となるのが、壊された物の所有者だけが告訴権者で、壊された物の利用者は告訴権者になれないのかという点です。具体的に言うなら、賃貸マンションの窓ガラスが割られた場合、オーナーだけが告訴権者なのか、賃貸居住人はなれないのかということです。これについては、「昭和45年判決」により、器物損壊罪の告訴権は所有者以外にも認められるとしてそれまでの判例を覆しました。従って前記の窓ガラスを割られた賃貸居住者、レンタカーを壊された運転手にも告訴権があります。ただし、実務上は、後に争いが生じないように、これらの者から告訴状を受理したとしても、可能であれば所有者からも告訴状の提出を受けています。
告訴権者の年齢については、はっきりした決まりはありませんが、概ね13歳以上であれば有効とする裁判例が多くあります。小学生以下であれば、両親どちらかが告訴することになります。
被害者が告訴できない場合、法定代理人が告訴権者になり、独立して告訴することができます。法定代理人とは、未成年者の両親、養親、未成年後見人、成年後見人です。認知者、継父母は告訴権者にはなれません。告訴権は、犯罪発生時に存在する必要はなく、告訴時に存在する必要があります。被害者の法定代理人が被疑者である場合は、他の親族が告訴権者になります。こうした親族もいない場合は、検察官が告訴人を指定することになります。
皇族に対する名誉に関する罪の告訴権者は内閣総理大臣となります。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


