告訴事実の書き方37(迷惑防止条例違反)
迷惑防止条例は、全都道府県に制定されている条例で、公共の場所において、痴漢、盗撮、客引きといった迷惑、不快な行為を禁止する条例です。「公共の場所」において行われることが前提条件ですので、個人宅内や会社内等で行われた場合は成立しないことに注意が必要です。各都道府県によって、条例の内容や罰条が異なりますので、ここでは東京都の条例について記載例を載せます。
電車内での痴漢行為
告訴事実
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 同条例第8条第1項第2号、第5条第1項第1号
被告訴人は、正当な理由無く、令和6年6月7日午後9時0分頃から同日午後9時10分頃までの間、東京都板橋区板橋1丁目5番6号東京地下鉄株式会社地下鉄東京線板橋駅から東京都文京区湯島1丁目5番2号同線湯島東駅に至るまでの間を進行中の同線電車内において、告訴人に対し、その臀部を着衣の上から執拗になで回す等し、もって、公共の乗り物において、衣服その他の身につける物の上から人の身体に触れ、人を著しく羞恥させ、かつ、人に不安を覚えさせるような行為をしたものである。
盗撮行為
告訴事実
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 同条例第8条第7項、第2項第1号、第5条第1項第2号イ
被告訴人は、正当な理由無く、令和6年6月7日午後9時0分頃、東京都板橋区板橋1丁目5番6号板橋区立板橋公園公衆女子トイレ内において、告訴人に対し、スマートフォンを使用して、告訴人の臀部等を撮影し、もって、便所内で人の通常衣服で隠されている身体を、撮影能力のある機器を用いて撮影し、公共の場所において、人を著しく羞恥させ、かつ、人に不安を覚えさせるような行為をしたものである。
客引き行為
告訴事実
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 同条例第8条第4項第5号、第7条第1項第3号
被告訴人は、正当な理由無く、令和6年6月7日午後9時0分頃、東京都板橋区板橋1丁目5番6号先路上おいて、同所を通行中の不特定の者である告訴人に対し、「ガールズバー楽園です。いい子いますよ。5000円で2時間どうですか。」などと言って誘い、もって、公共の場所において、異性による接待サービスをして酒類を伴う飲食をさせる行為の提供について客引きをしたものである。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。