告訴状(告発状)の提出先【元刑事が解説】
「告訴状はどこに提出すればいいのですか?」
これは非常に多い質問です。
警察署なのか、検察庁なのか、それとも警視庁なのか――一般の方にはわかりにくいと思います。
結論から言えば、ほとんどのケースでは警察署への提出が基本です。
ただし、事件の内容や発生場所によって適切な提出先は変わります。間違った窓口に持ち込むと、たらい回しになることもありますので、実務上のポイントを解説します。
告訴状の提出先は原則「警察」または「検察庁」
刑事事件の告訴状・告発状の提出先は、原則として次の2つです。
- 警察
- 検察庁
ただし、実務では圧倒的に警察への提出が多くなります。
理由は、刑事事件の第一次捜査を担当するのが警察だからです。
暴行、傷害、詐欺、横領、窃盗、性犯罪などの一般的な事件では、
「まず警察へ行ってください」
となるのが通常です。
検察庁に提出するケース
検察庁への提出が検討されるのは例外的なケースです。
例えば、
- 政治家や公務員の汚職事件
- 脱税事件
- 社会的影響の大きい重大事件
などです。
一方で、次のような事件は検察庁に直接持ち込んでも実務上難しいことが多いです。
- 暴行
- 傷害
- 性犯罪
- 詐欺
- 横領
- 窃盗
検察庁には警察のような鑑識部門や科捜研機能がありません。
そのため、多くの場合は警察対応となります。
警察に提出するならどこの警察署?
法律上はどこの警察署にも提出可能です。
しかし実務では、事件発生場所を管轄する警察署へ提出するのが基本です。
理由はシンプルです。
- 実際に捜査を担当するのがその警察署
- 他署では管轄外として案内されることがある
- 同じ説明を何度もする手間が増える
最初から管轄警察署へ行くのが最もスムーズです。
ネット上の名誉毀損やSNSトラブルはどこ?
インターネット犯罪は発生場所の概念が曖昧です。
この場合は、
- 被害者の住所地を管轄する警察署
- 被疑者の住所地を管轄する警察署
が候補になります。
対象例:
- 名誉毀損
- 侮辱
- 脅迫
- 恐喝
- SNS詐欺
- メールによる嫌がらせ
警視庁に告訴状を出せますか?
「警視庁に告訴したい」という相談も多いですが、まず誤解しやすい点があります。
警視庁は全国組織ではありません。東京都の警察です。
つまり、
- 東京都内で発生した事件
- 都内在住被害者のネット犯罪
などが対象になります。
例えば、
- 静岡県で起きた詐欺
- 被害者も加害者も静岡県在住
このようなケースでは警視庁ではなく静岡県警です。
警視庁のどこへ提出する?
警視庁に提出する場合でも、通常は本部ではなく警察署です。
優先順位は以下のとおりです。
1. 事件発生場所の警察署
もっとも基本です。
2. 被害者住所地の警察署
ネット犯罪など発生場所が曖昧な場合。
交番は正式な告訴受付窓口ではないため、基本的には警察署へ行きます。
告訴状はいつ出すべき?
結論は明確です。
処罰を望むならできるだけ早く。
理由は次のとおりです。
証拠が消える
- 防犯カメラ映像
- ATM記録
- 通話履歴
- スマホデータ
保存期間が短いものが多く、時間が経つと消えます。
関係者の記憶が薄れる
目撃者や被疑者の記憶は時間とともに曖昧になります。
現場が変わる
改装、解体、閉店などで現場確認ができなくなることがあります。
時効の問題
公訴時効が短い犯罪では、警察が十分に捜査する時間が限られます。
古い事件は難しくなる
実務上、古い事件ほど証拠収集が難しくなります。
目安としては発生・発覚から1年以内が望ましいでしょう。
警察署へ行く時間帯
おすすめは、
平日の日中
です。
理由:
- 刑事課が通常稼働している
- 夜間や休日は担当不在がある
- 事件対応で不在の場合もある
事前に電話確認しておくと確実です。
まとめ
告訴状提出の基本は次のとおりです。
- 一般的な刑事事件 → 警察
- 重大特殊事件 → 検察庁の可能性あり
- 提出先は管轄警察署
- ネット犯罪は住所地基準になることがある
- 警視庁は東京都の警察
- 処罰を望むなら早く動く
- 事前の電話確認が重要
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


