法人が被害にあった場合告訴できるのは誰か?【元刑事が解説】

 業務上横領、背任、窃盗、建造物侵入、偽計(威力)業務妨害、名誉毀損、信用毀損、恐喝、器物損壊など、法人や団体が犯罪被害にあうことは珍しくありません。法人も自然人同様、被害者になり得ますから、被害届や告訴状を提出することができます。ただし、法人は自ら出かけて行って被害届や告訴状を提出することはできませんので、自然人(人間)が提出者になります。では、誰が提出者になり得るでしょうか?この点、被害届と告訴状で異なります。被害届は緩くて、スーパーの万引きなどでは、その店の店長が提出者になることがほとんどです。会社の支店に泥棒が入った場合ですと、支店長が提出者となります。ところが、告訴状となると厳しくなり、告訴人は必ず法人の代表者(株式会社であれば代表取締役、市役所であれば市長)でないとならないとされています(大審院判例、昭和11年7月2日)。したがって、平取締役や筆頭株主では、告訴人にはなれないということです。では、代表取締役自らが会社の金を横領したら誰が告訴したらいいでしょうか?この場合、自分で自分を告訴することできませんから、現代表取締役を解任または辞任させ、新しく選ばれた代表取締役が前代表取締役を告訴することになります。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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