警察が被害届・告訴状・告発状を受理してくれない場合の理由別対応方法【元刑事が解説】

警察に被害届・告訴状・告発状を提出しようとしても、「受理できない」と断られるケースは少なくありません。
しかし、その理由によっては適切に対応すれば受理される可能性があります。

この記事では、元刑事の視点から、警察が受理しない主な理由と具体的な対処法をわかりやすく解説します。


1.「事件にならない」「犯罪が成立しない」と言われた場合の対処法

警察から「犯罪が成立しない」と言われた場合は、まず
👉 「なぜ犯罪にならないのか」具体的な理由を確認することが重要です。

  • 法律上の要件を満たしていない可能性
  • 民事トラブルと判断されている可能性

納得できれば受け入れるしかありませんが、疑問が残る場合は、専門家に相談してください。


2.「公訴時効が成立している」と言われた場合の対応

刑事事件の時効は、犯罪行為が終了した時点から進行します。

主な例

  • 傷害事件:暴行が行われた日
  • 窃盗事件:盗まれた日
  • 詐欺事件:金品を交付した日

ネット上の名誉毀損・侮辱の特徴

  • 投稿が残っている限り「継続犯」と判断
  • 削除された時点から時効が進行

例外(時効停止)

  • 犯人が海外逃亡中
  • 共犯者の裁判が継続中

👉 原則:時効成立後は受理されないため、早期対応が極めて重要です。


3.「返金されているから事件ではない」と言われた場合

これは誤った説明です。

👉 犯罪は行為が完了した時点で成立し、返金で消えることはありません。

そのため、

  • 「返金と犯罪成立は別問題」と主張し、受理を求めるべきです。

ただし注意点として、

  • 窃盗・詐欺・横領などの財産犯で全額返金済みの場合
    → 起訴される可能性は極めて低い

👉 実務上は「告訴しても意味が薄いケース」もあります。


4.「忙しくて捜査できない」と言われた場合の対処法

これは正当な拒否理由ではありません。

警察は、
👉 多忙を理由に受理を拒否することはできません。

対応方法:

  • 「順番は待つので受理だけしてください」と明確に伝える

これにより、受理される可能性が高まります。


5.「証拠がない」と言われた場合の対応

証拠は「書類・写真・録音」だけではありません。

有効な証拠の例

  • メール・LINEなどのやり取り
  • 目撃者の証言
  • 電話の着信履歴
  • 日記・メモ
  • レシート・領収書
  • 銀行取引明細

さらに、
警察が収集できる証拠もあります:

  • 防犯カメラ映像
  • Nシステム(車両追跡)
  • 銀行口座履歴
  • 交通系ICカードの利用履歴

👉 「証拠がない」と言われた場合は
「受理して捜査で集めてください」と主張することが重要です。


6.「犯人が見つからない」と言われた場合の対処法

これも受理拒否の理由にはなりません。

👉 犯人の特定・逮捕は警察の本来業務です。

実際には、

  • 長期間所在不明の犯人でも
  • 別件逮捕をきっかけに発覚し再逮捕されるケースもあります

👉 「見つからない」は理由にならないため、
受理を強く求めるべきです。


まとめ|警察に受理されないときの重要ポイント

  • 理由を必ず具体的に確認する
  • 法的に誤った説明には反論する
  • 証拠は広く考える
  • 受理と捜査は別問題として考える

👉 最も重要なのは
「正しい知識をもって冷静に対応すること」です。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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