PTSD(心的外傷後ストレス障害)による傷害罪で告訴する場合の大事なこと【元刑事が解説】
PTSDで傷害罪の告訴はできる?診断書の重要ポイントを解説
PTSD(心的外傷後ストレス障害)に限らず、うつ病や不眠症などの精神疾患の傷害罪で告訴する場合には、医師による診断書の提出が必須です。
一般的な傷害事件であれば、診断書には「ケガの状態」と「治療期間(全治)」が記載されていれば足ります。しかし、PTSDの場合は事情が大きく異なります。
PTSDの告訴で重要なのは「因果関係」
PTSDで傷害罪を成立させるためには、
- 精神疾患が発症していること
- その原因が被告訴人の行為であること
この因果関係の立証が極めて重要になります。
そのため、単に診断書に「PTSD」と病名だけが記載されている場合、証拠として不十分と判断されるケースが少なくありません。
診断書に記載すべき内容とは
診断書を作成してもらう際は、医師に対して以下の点を依頼することが重要です。
- 症状の具体的な内容
- 発症時期
- 発症原因(加害行為との関係)
特に重要なのが「発症原因」です。
例えば、以下のような記載があると有効です。
- 「元夫からの継続的な暴力やハラスメント行為により発症したと考えられる」
- 「特定人物からの心理的外傷体験が原因と認められる」
主治医への依頼のポイント
医師によっては、原因の記載に慎重な場合もありますが、継続的に診療を受けている主治医であれば対応してもらえる可能性が高いです。
そのため、
- 事情を具体的に説明する
- 告訴に使用する旨を伝える
など、丁寧に依頼することが重要です。
診断書の内容で警察の対応は変わる
診断書に発症原因の記載があるかどうかで、警察が告訴を受理するかどうかの判断が大きく変わることがあります。
したがって、PTSDで傷害罪の告訴を検討している場合は、
👉「原因まで明記された診断書」を準備することが極めて重要です。
まとめ
- 傷害罪の告訴には診断書が必須
- PTSDの場合は「因果関係」が最大のポイント
- 病名だけでなく「発症原因」の記載が重要
- 主治医に具体的に依頼することで対応してもらえる可能性あり
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


