告訴状作成のコツ 告訴状は長いほど良いか?【元刑事が解説】

 告訴状は私文書です。しかし、警察に受理されれば、公用文書となり、同時に捜査書類になります。捜査書類に重要なことは、推測を省いて事実のみを記載することは当然、如何に必要なことを記載しかつ如何に不要な記載をしないかということに尽きます。書き慣れない方の作成した告訴状は無駄に長くなる傾向があります。特に、告訴状の中で一番重要な「告訴事実」に不要な記載が多数含まれていることが多いです。中には、告訴事実だけで2ページを越えるようなものもあります。暴行、傷害、窃盗、恐喝、名誉毀損といった比較的単純犯罪であれば、告訴事実は5、6行で十分です。詐欺や背任といった複雑な事件でも10行前後で足ります。告訴状全体では、単純犯罪で2、3枚、複雑な事件でも4、5枚が妥当です。被告訴人と知り合った状況や、犯行状況の詳細は、陳述書にしたほうがスマートですし、読みやすく、理解してもらいやすい告訴状になります。
 結論ですが、よくできた告訴状ほど短くなる傾向があります。被告訴人と関係や、犯罪の構成要件、事件の悪質性、事件によって受けた二次被害などの不要な記載をだらだらと記載した無駄に長い告訴状が提出されると刑事はうんざりして読むのも嫌なのが本音です。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

Profile Picture