パチンコ必勝法・攻略法詐欺手口【元刑事が解説】

 パチンコ必勝法詐欺の手口を説明する前に、まず、パチンコの必勝法が本当にあるのかないのかに触れないとなりません。私自身はパチンコをやらないので、詳しい説明はできませんが、「昔はあったが今はない」が正解のようです。「昔」がどれくらいかというと、おおよそ20年以上前と思われます。必勝法が生まれた経緯については、「機械のバグ説」と「メーカー技術者によるイースターエッグ説」があります。イースターエッグとは、ソフト開発者が秘密のプログラムをソフト内に仕組むことで、自分自身がそのパチンコ台を打って稼ぐために行ったとするものです。どちらの説が正しいのか、あるいは両方あったのかわかりませんが、この「昔実在した」という話がずっと語り継がれ、現在も必勝法詐欺に騙される人がいなくならない原因と思います。
 さて、必勝法詐欺の手口ですが、パチンコ関係の雑誌広告などで客を集め、電話などで「絶対に勝てる打ち方を教えます。」と言って数万円から十数万円程度の料金を請求します。料金を払うと打ち方を記載した説明書が送られてきます。「○○チャッカーに入ったら××ボタンを〇秒間押して右打ちして×ボタンを3回素早く押す」などと、複雑な操作が要求される内容になっています。もちろん全部ウソです。客はこれを信じて、喜々としてパチンコ屋に向かいますが、もちろん全く出ません。怒って業者に電話をかけると「おかしいですね。皆さんこの打ち方で稼いでいるとお礼の電話が入ってますよ。〇秒間押すところでしっかり〇秒間押してますか?」などと言われ、再度店に行って必死に〇秒間押しにチャレンジしますが、やはり出ません。そこで再度電話すると「おかしいですね。もしかしたら台のメーカーで対策したかもしれません。それでは、〇〇○○台で、もっと簡単な打ち方で確実に勝てる必勝法が新しく出ましたので、こちらをご案内しますよ。2回目ですからお安くしますので今なら〇万円でいいですよ。これは簡単ですから確実に数日で元が取れます。」などと言って、別の必勝法を売りつけられます。もちろんこれもインチキなので、何時間打っても出ません。騙されたと思って返金を要求しても「あなたの打ち方が悪い」「返金はしない決まりになっている」などと言って応じてくれません。警察に相談に行っても「必勝法が嘘か本当か立証しようがない。」と言って断られることが多いです。
 ユーチューブなどでも「パチンコ必勝法」「絶対勝てる打ち方」などが大量にありますが、もし本当に必勝法があったとしてそれを知ったなら、あなたはそれを誰かに教えますか?


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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