保護責任者遺棄罪の保護責任者とは?【元刑事が解説】

 Aさんが道を歩いていて、知らない人が川でおぼれて助けを求めているのに出くわしたとします。Aさんは急いでいましたし、知らない人と関わり合いになるのも嫌だと思い、助けもせず、119番通報もせずに、歩き去りました。その後、おぼれていた人は亡くなりました。
 この場合、Aさんは罪に問われるかというと、問われません。保護責任者遺棄致死罪が成立するためには、要保護者との間に関係性が必要だからです。ではどのような関係性があれば、保護責任者として救護義務が生じるかというと、親子、教師と児童、医師と患者、雇用主と従業員などが挙げられます。なお、乳児や幼児、寝たきり老人などに食事を与えずに死なせた場合は、本罪ではなく殺人罪が成立します。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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