名誉毀損などの親告罪で犯人Aを知ってから6か月過ぎて告訴期間が超過した後に共犯者Bがいたことを知った場合に告訴できるか【元刑事が解説】

 告訴は、犯人に対するものではなく、特定の告訴事実(犯罪)に対して行われるものです。したがって、告訴人が犯人Aを知ってから6か月以内に告訴せず、告訴期間が超過してしまった場合、告訴人のその告訴事実に対する告訴権自体が消滅したということになります。そのため、新たに犯人Bの存在を知ったとしても、失われた告訴人の告訴権は復活せず、告訴はできないということになります。
 ただし、犯人Aを知ってから5か月と29日目に犯人Bを知ったとすれば、告訴期間は新たにその日の翌日から6か月に延長されます。この場合、その翌日以降に告訴しても、犯人Aの罪は免除されません。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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