大卒で警察官を目指す場合、何学部を出るべきか?【元警視庁刑事のコラム】
警察官を目指すにあたって「どの学部を卒業すれば有利なのか?」と悩む方も多いでしょう。結論から言えば 法学部が最適 です。その理由を詳しく解説します。
なぜ法学部が最適なのか?
警察官になると、法律に関する知識が必要不可欠です。法学部で学ぶ内容は、以下のように警察官としてのキャリア全般に役立ちます。
- 警察学校での勉強と試験:大学で刑法・刑事訴訟法などを習得していれば、警察学校での法学授業は楽勝です。警察学校の卒業順位は、一生ついて回ります。
- 実務での活用:日々の業務で法律知識は当然に必要です。法律知識があれば弁護士とも対等にやりあえます。
- 昇任試験や専科講習:出世やスキルアップのために法律知識は当然に必要です。
- 管区学校での勉強や試験:管区学校での成績はその後の勤務評定に影響大です。
このように、警察官として働く上で 法律の知識が非常に重要 であることが分かります。
他の学部はどうなのか?
文系(経済学部・文学部など)
私自身、経済学部を卒業しましたが、警察官としてのキャリアにおいて 経済学の知識が役に立ったことは全くありません でした。文学部や社会学部なども同様で、法律を専門的に学ばないため、警察業務に直結する知識を得る機会が少ないでしょう。
理系(工学部・理学部など)
理系出身の警察官は少ないですが、その知識が役立つ機会は限りなくゼロに近いです。例えば、私の同期で理系学部を卒業した警察官は、「理系を出ているから」という理由で、科学捜査研究所に異動となりました。しかし、そこでやらされた仕事は 押収されたけん銃の発射実験の引き金を引く役 という、専門性とはほぼ無関係な仕事でした。しかも、研究員ではなく警察官にやらせる理由として「手製けん銃の暴発リスクがあり、危険だから」とのことでした。ひどい話です。警察官も同じ人間です。このように、理系学部を卒業しても 警察官としてのキャリアにメリットはない のが現実です。
まとめ:警察官を目指すなら法学部を選ぶべき!
警察官になりたいなら、 法学部が最も有利な学部 です。実務で役立つのはもちろん、昇進や専門的な研修の際にも学んだ知識が活かせます。他の文系学部や理系学部では、警察業務に直結する知識を得る機会が少なく、メリットが少ないのが現実です。
将来的に警察官を目指すなら、大学選びの際に 法学部を第一候補 にすることをおすすめします!
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
