謎の海底大量覚醒剤消失事件
某署刑事課で勤務していた当時、たれ込みにより某県海岸の海底に大量の覚醒剤が取引のために沈められて隠匿されているとの情報が入りました。情報の確度は高いと判断されたことから警視庁本部に連絡し、機動隊海難レスキューのダイバーを使って確認したところ、海底に数百キロはあると思われる極めて大量の薬物らしきものがあることが確認されました。さっそく、その県警と警視庁とで合同捜査本部を設置し、24時間体制の張り込みが開始されました。被疑者らは船でやってきて回収するはずですから、怪しい船がその場に来て、ブツを引き上げた瞬間にパクろうという方針でした。警視庁から派遣された刑事たちは、毎日交代で見張り、地元のホテルに宿泊する生活を開始しました。しかし、1週間、2週間と過ぎても船は来ません。1か月を過ぎ、とうとう2か月が経ちました。捜査本部で会議が開かれ、「これはおかしい」ということになり、再度機動隊のダイバーが呼ばれて潜水したところ、ブツはキレイに無くなっていたそうです。捜査本部の刑事たちは、24時間体制で見張っていたので、絶対に見落としや居眠りは無かったと全員主張しました。となると、どうやって覚醒剤は回収されたのでしょうか。一人の刑事は「潜水艦しかあり得ない」と言っていました。既に公訴時効が過ぎてかなり経つ事件で、今となっては永遠の謎です。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。