警視庁音楽隊の警察官は警察官の仕事をしない?【元警視庁刑事のコラム】
私が某署刑事課で勤務していた頃、警察学校を卒業した若い警察官が見習いとして配属されました。彼は小柄で丸いメガネをかけており、一見すると警察官には見えないタイプでした。話を聞くと、彼は音楽大学を卒業し、クラリネット奏者として活躍していたそうです。警察学校では「ヤングリーブス」という音楽隊に所属しており、音楽の才能を活かして活動していました。
警察学校を卒業してから約2年後、彼は通常なら機動隊に異動する年齢に達していましたが、彼は特別に警視庁音楽隊に異動となりました。音楽隊での演奏活動に従事し、警察官としての通常の業務は一切行わず、音楽の道に専念しました。
それから約10年後、彼とばったり再会しました。話を聞くと、彼はその後も音楽隊で活動を続け、巡査部長に昇進後、警察署に異動し、警務課で1年間、庶務的な業務に従事。その後再び音楽隊に戻ったとのことでした。彼は少し困ったような表情を浮かべながら、「このまま定年まで音楽隊で活動することになるでしょう。でも、たまには警察官としての仕事もしてみたいです。」と話していました。
おそらく現在も元気に警視庁音楽隊でクラリネットを演奏していることでしょう。警察音楽隊への異動は特殊なケースであり、音楽と警察業務が融合したユニークなキャリアパスです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
