警察署内各課の担当業務

 刑事と聞けばだいたいの人が泥棒や殺人犯人を捜査して捕まえるというイメージがあると思います。では、生活安全課は? 組織犯罪対策課は? 警備課は? となるといまいちわからない人がいるかもしれません。警察署内にある各課の業務内容を説明します。

①刑事課
 主として刑法に書いてある条文の事件を扱います。ただし公然わいせつ事件だけは生活安全課の扱いになります。以前、その理由について調べたことがあったのですが、通達等は存在せず、単なる慣習という結論に至りました。刑法以外では、暴力行為等の処罰に関する法律、特殊開錠用具所持禁止法、入札談合処罰法、公職選挙法などの法律違反を扱います。また事件扱いではありませんが、変死も刑事の扱いです。
②組織犯罪対策課(小さな署にはありません)
 暴力団に関する事件、外国人事件、薬物事件、拳銃事件、犯罪収益移転防止法事件などを扱います。
③生活安全課
 刑法以外の罰則が存在する法律違反で、刑事課と組織犯罪対策課が担当する以外の法律・条令全てを扱います。主なところでは、痴漢、悪質商法、闇金、ストーカー、著作権法、風営法、銃刀法、不正アクセスなどがあります。刑事のところで触れた公然わいせつも担当です。被疑者が少年の事件は全ての罪種を扱います。さらに精神疾患者の強制入院や古物商、警備業、探偵業、風俗営業、銃砲所持などの許認可事務、生活相談もあります。なかなか大変です。
④警備課
 警備課内は警備係と公安係に分かれています。警備係は、お祭りや花火大会などの雑踏警備、皇室や政治家等の警衛、デモ対策警備などを扱います。公安係は、右翼や左翼活動家などの思想犯対策と情報収集、外国人の不法滞在、外事事件などを担当しますが、事件数は少ないので、情報収集活動がメインとなります。
⑤交通課
 交通課内に、交通捜査係、交通規制係、交通総務係、交通執行係、駐車対策係などに分かれています。交通違反の取り締まり、交通事故の取り扱い、安全運転対策、標識の整備などを担当します。変わったところでは、交通事故を装った保険金詐欺事件も担当します。
⑥警務係
 警察署内の庶務担当です。事件・事故は扱わず、署内の各種行事扱い、署員に対する教養実施、署員の勤務と超過勤務管理、寮の管理、柔道・剣道・逮捕術訓練に関する事項などを担当します。
⑦会計課
 お金に関すること、落とし物に関すること、福利厚生、署内の物品管理などを担当します。課員のほとんどは警察行政職員であり、警察官ではありません。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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