【警察官の裏側】一般人が抱く10の誤解!警察は土日祝日休み?カツ丼は本当?【元警視庁刑事のコラム】
警察官の仕事は、ドラマや映画の影響もあり、一般の方々には誤解されている部分がたくさんあります。元警察官の私が、実際に経験した事例をもとに、よくある10個の誤解を解説します。
1. 警察は土日祝日も24時間営業?
答えはNOです。土日祝日や夜間は、窓口業務や申請業務は基本的に休みです。事件・事故の対応や遺失届の提出、当日に拾われた遺失物の受け取りのみ対応しています。土日祝日に免許証の住所変更に来られる方が大変多いですが、やっていません(免許センターではやっている場合があります。ネット等で調べてから出かけてください)。
2. 警察は借金の取り立てをしてくれる?
答えはNOです。警察は民事不介入のため、借金の回収はできません。借金の回収は、裁判所の担当です。
3. 警察官の「非番」は休み?
答えはNOです。「非番」は夜勤明け日のことで休みではありません。昼過ぎや夕方まで業務が続くこともあります。
4. 取り調べでカツ丼は本当に出る?
答えはNOです。私が警察官になった1992年時点でそのようなことは全く行われていませんでした。過去にそのような慣習があったとしてもかなり昔(おそらく1970年代以前)と思われます。
5. 刑事はいつも二人一組で行動する?
答えはNOです。安全上の理由から二人で行動することもありますが、公務所や銀行に照会や聞き込みに行くなどの日常業務は一人で行くのが基本です。
6. 警察官はみんな大酒飲み?
答えは半分YES、半分NOです。昔は飲酒する警察官が多かったですが、近年は若い世代を中心に飲酒しない人が増えています。その流れにコロナ禍がとどめを刺した感があり、最近では係員の送別会や歓迎会もやりません。
7. 警察官の拳銃の1発目は空砲?
答えはNOです。拳銃の弾倉には実弾がフル装填されており、空砲は入っていません。
8. 交通違反の取り締まりにはノルマがある?
答えはNOです。しかし、職務質問や交通違反の取り締まりなどの実績が全くないと、上司から注意を受けることがあります。
9. 警察官の靴は安全靴?
答えはNOです。警察官の靴は普通の革靴で、機動隊員が履く編上靴(へんじょうか)も安全靴ではありません。
10. パトカーは改造してあって速い?
答えはNOです。パトカーはノーマルのまま使用されており、むしろトランク内の装備品(防弾盾等)で重くなっている分、遅いくらいです。
まとめ:
警察官の仕事は、一般の方々が思っている以上に多岐にわたり、誤解も多いことがお分かりいただけたでしょうか?この記事を通して、警察官の仕事について少しでも理解を深めていただければ幸いです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
