職務上請求書と捜査関係事項照会書の違い【元警視庁刑事のコラム】

 行政書士になると行政書士会から「職務上請求書」という書類を売ってもらえます。これは、行政書士がお客様から依頼を受けた申請業務に関して必要な「住民票」と「戸籍謄本」を市町村役場窓口において、名義人の委任状なく交付してもらえる少しだけ便利な書類です。公務ではないので、交付料金は一般の方と同じく支払が必要です。
 一方、刑事が使うのは「捜査関係事項照会書」です。この文書1本で、住民票や戸籍謄本はもちろんのこと、不動産や法人の登記簿、携帯電話番号の使用者に関する個人情報、銀行口座の取引明細、銀行ATMの引き出し時画像、IPアドレスの使用者情報、裁判記録、クレジットカード利用明細、町会が設置した街頭防犯カメラ画像、海外渡航歴、スイカやパスモの利用履歴等々、社会生活におけるありとあらゆるものを照会して回答を得ることができる、魔法のような文書なのです。公務なので基本的に料金も発生しません。
 自ら警察を辞めておいて何ですが、万能の捜査関係事項照会書からたった二つの書類しかもらえない職務上請求書への道具の持ち替えは、やはり寂しいものがあります。いかに警察の権限が大きかったのかと身にしみて感じます。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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