署長の一声で何でも決まる社会【元警察官が解説】

民間企業でも社長は大きな権限を持つ存在ですが、警察組織における警察署長の権限は、それ以上に絶対的と言っても過言ではありません。

警察署という組織の中では、署長の判断や指示に対して正面から反論することは、ほとんどありません。たとえ疑問を感じる署員がいたとしても、組織の性質上、それを口にすることは極めて難しいのが現実です。

私がある警察署に赴任したとき、その署には語り継がれる出来事がありました。

それは、交番勤務中の警察官が、駅のホームで電車に飛び込もうとした女性を救おうとして、自らは電車に接触し殉職したという痛ましくも勇敢な事故です。
この出来事は私が赴任する十数年前に起きたもので、当時は多くの市民から感謝と追悼の声が寄せられました。

その警察官の勇気ある行動に心を打たれ、あるミュージシャンが殉職警察官に捧げる楽曲を制作しました。そして、その曲は長年にわたり、その警察署で定時退庁時間になると署内放送で毎日流されていたのです。

私も初めてその曲を聞いたとき、明るく親しみやすいメロディの中に、故人への敬意と温かい思いが込められていると感じ、とても印象に残りました。

ところが、ある日を境に、その曲は突然流れなくなりました。

正式な理由が説明されたわけではありません。しかし、警察組織の実情を知る者としては、考えられる理由はほぼ一つです。

「署長の判断で中止になった」

警察署では、このような日常の小さな慣習や文化であっても、最終的な決定権は署長にあります。署長が一言「もうやめよう」と判断すれば、それまで長年続いてきたことであっても、あっけなく終わってしまいます。誰も口答えできません。

もちろん、組織運営には変化や見直しも必要です。しかし、殉職した警察官を悼み、その勇気を忘れないために続いていた取り組みが、明確な説明もなく消えてしまうことには、複雑な思いを抱かざるを得ません。

警察組織とは、強い規律と上下関係で成り立つ世界です。
その一方で、現場で命を懸けた警察官の記憶や、それを称えようとした人々の思いまで、トップの一存で風化してしまう危うさもあります。

元警察官として今でも思うのは、組織の論理だけではなく、受け継ぐべき記憶や心まで守るべきではないかということです。

○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

Profile Picture